昨日と今日は大学の実験室で流体実験のビデオ撮りと,研究基盤センターのSEMと顕微ラマンの測定.

流体実験のビデオはこれからデータ処理ですが,実験室の温度も±0.3度程度の変動があり粘性が若干影響を受けるようだ.どの条件でやっても同じような結果しかなく,しょもない実験であるなー,とも思う.

顕微ラマンでは水を測るのだが,ともかく水のスペクトルを見る,ということで,今回はまず,含水量が判っている実験試料(雲仙デイサイトの石基組成:SiO2=68wt%に水を加えて溶融・ガラスにしたもの)を測ってみた.いくつか条件を変えてみたら,一応それらしい3550cm^-1あたりをピークとする幅広いスペクトルが得られた.
イメージ 1

このスペクトルはH2Oに関連するいくつかのスペクトルの合算であるために幅広くなっている.例えば,Di Muro et al.(2006) GCAの図.
イメージ 2
横軸は逆になっているけれど,定性的には類似したスペクトルが得られている.(当たり前か)
ただ,生スペクトルは主に蛍光スペクトルのBackgroundを差っ引かないといけないのだが,どうも器械のソフトではうまくいかない.自分でなんとかしないといけないものか.レーザービームで局所的に温度が上がって水が抜ける可能性があると思ったが,同じ点に5回程度30秒ずつ当てても,それほどスペクトルは変化しなかったので,その点は杞憂だったようだ.

少し時間が残ったので,肝心の浅間追分火砕流の軽石を測ってみたのだが,一応ピークは認められるものの,Backgroundの形がUnzen groundmassガラスとは全然違っていて,その組成の標準試料が必要なようだ.軽石のガラスを横切ってTotal waterのプロファイルを得る事ができれば良いのだが,ガラス壁のコアと縁ではそう単純ではなさそうだ.マッピングで面的に分析できると良いのだが.年寄なので一回4時間使用で,あと2回位でなんとかなると有難いのだが.


PS  今,大学の機器利用を見たら,8月から使用料金が学外の場合7月迄と比べて5倍以上に跳ね上がるようだ.例えば,学外者がEPMAを丸一日(24時間)使うと今までの2.4万が8月からは15.3万になる.私は学内料金(今までは学外の半額)で使わせてもらっているが,ちょっと増額率が高すぎる.独立採算を考えているのだろうか.そしたら利用率が低くなって潰れるのではなかろうか.金がないと仕事にならない,ということで,まあ,世の趨勢にはよくあっている.分析系の仕事はもうできないですな.

PS2 今日(7.26)大学へでたついでに,機器利用の学内料金を見たら,さほど増額にはなっていなかった(数10%程度).民間の企業で機器利用を申し込むと滅茶苦茶高額で諦めたことがあったが,恐らく学外料金はそれに合わせて大幅引き上げになったものだろう.