12月16-18日に採取した足摺岬の試料のチップ切り出しは先週おこなったが,その片面研磨を今日おこなった.いくつか面白いものがあった.
 
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目盛は1㎜.この試料は東海岸の北部で,岩体と清水層の境界から数10mの位置にある細粒花崗閃緑岩.右端と左下にラパキビ長石(カリ長石の周囲に斜長石が取り囲む組織)が認められる.それと同時に中央右側に3個,黒い縁取りのある組織が認められるが,これは石英の周囲に角閃石(単斜輝石?)が反応縁を作っているもののようだ.ラパキビ長石については,鈴木・吉倉編著『最新・高知の地質-大地が動く物語』南の風社,の中で吉倉先生がいくつかの成因説を紹介しておられ,マグマ混合説の場合が多いことを指摘しておられるが,この試料でも,カリ長石と石英が高温苦鉄質マグマの混合によりそれぞれ反応縁を形成したと考えると無理がなさそうだ.
 
今年は,3月三陸,9月青山高原,10月和田峠,浅間山,御池山クレーター,富士青沢,12月足摺岬とあちこちすることができた.定年を過ぎると,いつSudden deathになるか判らないが,元気のうちが花.
 
皆様よいお年を.