流浪人のココロ ~season3~

流浪人のココロ ~season3~

札幌在住の銀行員兼自称現役ラガーマン。

ポジションは3列と1級FP技能士。

場所をかえながら流浪の旅は続く。

稚内も、もう冬か。

滑走路には白化粧、鹿は餌取りに精を出す。

彼らこそ季節の変わり目をよく理解していて、

食欲と生存欲が警戒心を上回る。

だとすると、人間など警戒するに値しない生き物と認識されているのだろう。



初めてお会いしたのは、10年くらい前になるだろうか。

企業人的ランクで言えば、

当時の俺など会えるわけもない人だったのだが、

こっちも企業の大きさを利用して懐に入り込むことだけに時間を費やしたことを覚えている。

それから、何かの機会にはお電話をいただいたり、時には居酒屋で酒を酌み交わしたり、

親子ほどの年齢差にもかかわらず、本当に可愛がってくれて、本当にありがたい限りで。

仕事でお返しすることも忘れなかった。

この縁がなければ、あの大きな出来事もなかった。



余命宣告みたいなものなのだろう。

治療は続けているが、あと一年もたないかもしれないと、時折笑顔も交えながら。

病状を伺って、素人の俺でもなんとなく理解出来た。


この方は、この状況に於いても、

変わらず逞しく。




過去の経緯と今の状況に、気持ちの揺らぎをエッセンスとして加えながら、最善の答えを導き出す。


今日の仕事は終わった。


満足された表情に心が少し安らぐ。


名刺の裏に携帯番号を書いて手渡す

奥さまにお渡しください。と。

これが最後の仕事になるのかも知れない。




「また飲みに行こう」とお誘いいただいた。




死を覚悟したヒトを目の前にして

微笑ましいことなど何ひとつない。


ただ、こんな状況になっても

いや、こんな状況になってこそ、

頼っていただいて、

この仕事を社内で起業して、

大きく育て続けてきたことを、本当に誇りに思った。


不謹慎を承知で。





忘れない限り、ヒトは滅することはない。


根室からの帰り道

飛行機なので帰り空か


次の一手を考えることも忘れずに


幸か不幸か

いつでも仕事できる装備が整っているので

最近は、所謂「休みなし」というやつだ


ありがたいことに

20代後半から笑ってしまうくらい馬鹿げた労働環境だったので

体力はある方だと思う



一番リスクを取れる職業はサラリーマンだと、ある著名人が言っていた

その通りだと思う


働くのも働かないのも自由

多くを望まなけば一定のサラリーが一定量入ってくる

周りとの待遇格差とか

そんなものを気にしなければ

まさに天国


起業してもなかなか手にすることが出来ない

資金や人脈、あるいは基盤を

半ば自由に使うことが出来る

例えば今日の出張でも

飛行機往復5万円と宿泊費9千円は

会社が負担してくれている

これほどの価値を生んでいるという自負はあるものの

個人経営だったら、この毎月の根室出張は全て自分の財布から出すことになる

経費感覚を持ちなさい、と言われても

確かにその通りだが、圧倒的に危機感がないのも事実で

収支管理は概ね厳格にやっているつもりだが、WEB面談の技術を上げるとか、本当はやらねばならんことはまだまだあって


もしかして飛行機の中で

こんなメモを書いている余裕すらないのかも知れないし


とすると、サラリーマンは圧倒的に時間と金を極めて低リスクで手に入れているということになる

自分のアイデアと行動力と体力次第


今の仕事は、経営者だったらどう思う?

の目線が武器になる


「サラリーマンの自由度×経営者目線」




支店の担当者から電話


数多く聞いたがあんな助言は初めてだ

もっと広めたほうがいいよ、と

お客様から褒められました

本当にありがたい、と


決してゼロから創り出す仕事ではない

世の中にある法律とかやり方を組み合わせながら、そのお客様の最適解を組んでいく

驚きや違いをどう創り出すかは

その営業担当の力量によるところが大きい


導き出すスピードが驚きを作る

的確な助言を的確だと実感していただくこたも重要

スピードに自信がなければ

サラリーマンの特権を活かして

時間を費やせばよい

そこに必要なのは、絶対にお客様のために仕事をするという強い信念と行動力、と、体力


魔法ではなく、ちゃんとカラクリがある

マジシャンのようなものか

一定の知識とトレーニングに裏付けされた

アスリートかぶれにはちょうど良いのかも





昔の仕事仲間にフリクションのペンを贈った

久しぶりに帯同したときに

俺が使っているフリクションがカッコいいと褒めてくれて、私も欲しいと言われたので

せっかくだから、ネームも刻印して

今は電子データでプレゼント出来るので

手渡しの恥ずかしさもないので


喜んでくれるかどうかは知らん。

プレゼントというものは

その人を想い、考え、探し、渡した時点で

その役目を終える

見返りなどあるわけがない

極めて乱暴で独りよがりなイベント


と言いつつ、せめて使ってくれたら良いが。

函館→札幌の帰りみち

さすがは金曜日、グリーン車も混んでいて

2席並びしか空いていなく

せめて電源確保したく窓側に


となりのおじさん

俺よりひとまわりは上だろうか

ワイシャツとパンツ姿なので

現役なのだろう



座り方がとにかく汚い。

写真に撮れないのが残念だが、

普通に座ると腰のあたりが触れるであろう

座席の下部分に頭がきていて

背中が本来「座」の部分を占拠し

下肢は前方に投げだされている。


汚いしだらしなさすぎるわ。


どこかで誰かに見られているという認識は皆無

このひとは、誰の前でもこんなことか出来るのだろうか。



うちのビルでも

エレベーターやエスカレーターで

ポケットに手を入れながら

スマホをいじっている人をよく見かける


この人は、お客様の前でもこんな振る舞いなのだろうか

もしエスカレーターでお客様とすれ違ったらとか、考えないのだろうか

きっと上席によっても態度変えるんだろな、とか

いろんなことを想像し、残念に思ってしまう。


この隣のおじさん

もし、俺が重要な取引先の関係者だったら

人生変わるぞ。



常に正しく生きたいと、あらためて思う。



根室でこの週末に行われる秋刀魚祭りに

後ろ髪をひかれながら

中標津発の飛行機に乗り込む


プロペラ機は順調に満席で

雲の上を穏やかに進んでいた



今夜は久しぶりに

昔の仕事仲間と酒を飲む

飲むと言っても、そいつは全く酒が呑めないが、とにかく酒を飲む



限られた時の中で

どれだけのことが出来るのだろう

言葉にならないほどの思いを

どれだけあなたに伝えられるだろう



懐かしいという表現は

適切ではないのかも知れないが

今月は懐かしい名前を良く耳にする

そんな9月だった



今年の春先に頼んだ昔のビデオテープをDVD化してくれるサービスから映像が戻ってきた。30年前の俺は自分の記憶よりも素早く動いていた。大学生ってすごいわ。

最近は普通に歩くことも困難になって、毎朝毎日痛みに顔を歪めることが頻繁で、時々緩やかな痛みであることの方が珍しくなり。

大学4年の春、試合中に突然倒れて歩けなくなって。あの時無理せず治せばよかった。

あなたにはあと20年以上プレーする機会があり、その後の人生も少なくても更にあと10年は続くことを教えてあげたい。

燃え尽きることが、カッコいいと信じて疑わなかった。仲間など目に映らず、すべては自己満足以外の何ものでもなく。




懐かしい、名前。

元気にしているだろうか

楽しく人生を過ごしているだろうか


いつか今日と同じ気持ちで

あなたに会いたい


出会いの春のように

別れの春のように



もうすでに季節は秋だが。



シートベルト、着けろってさ。

宗谷地方は悪天候。

飛行機が飛ぶかどうかすら危ぶまれたが、

帰りのフライトまで何とかたどり着いた。


出張って、結構歩く。

昨日は4.9キロ、今日はすでに7.6キロ

昨日の食事は昼夜共に残念だったが、

残念飯カロリーの30%程度は燃やせたのだと思う。


初の利尻案件。

ここでも多大なるカロリーを消費。

非常に有意義な面談で、

最大限お役に立てそうで。


今回はフェリー欠航のため単独訪問となってしまったが、彼らの動きがこの出会いを作ってくれた。本当に感謝しかない。

当然全力尽くすし、気持ちも改めて引き締まる。


僕らのカラダは出会いで出来ている。

高位脛骨骨切り手術を受けて
間も無く10年になるのか。

この手術の正解はどこにあるのだろう、と思うことがある。


《10年経って、》

手術後の違和感は常に存在する。

いまだに「カクッ」って折れ沈む時がある。

全力疾走は夢のまた夢。

正座など出来ない。

膝の痛みが消えることはない。

10年前と比べて、痛みは和らいでいるのだろうか。


最近また痛みが強くなってきた。

正直よくわからない。

何が治療の正解なのだろう。



①もう10年も経ったのでいろいろあるでしょうという評価は正しい。

→やらなかったらもっと酷かった

→手術は成功していたが、治り切るまえに無理をした

→やってはいけない動きを結構やってしまっている


②負荷のかかるスポーツ(ラグビー含む)は、やっていない。何度か遊び程度だけで、最近は復活したくても叶わず、ということもあった。

→手術は成功しているが、痛みが取れることを期待するのは難しい

→「骨切り術」の手術は成功したが、同時に靭帯を繋いだり、半月板を治したりしなければならなかった



スネや膝横ら辺がめちゃくちゃ張って、

触れるだけで傷んで、

でも、少し無理してマッサージすると少しだけ和らいで、の繰り返し。

もしかして数週間前から始めた腕立て伏せふせが良くないのか。自重だし、膝に負担かからないだろうと思っているのだが、これもダメなのか。

エアロバイクはきっとダメの一つ。となると、自転車はダメなのか。数年間痛みが和らぐだけのものなのか。



PRP療法良いかもなのだが、

やはり本命はIPS細胞による軟骨治療か。

2023年に日経で京都大学の取り組みが取り上げられていた。最近の情報ではアルクタス社が2026年の治験を目指しているとのこと。

PRP療法は、その効果に賭けるには、サラリーマンには高額で。

まともなやつだと100-200万円近くか。

それであればIPSを待ちたいところ。


出張各地ですれ違う観光客。

私もあのように自由を楽しむ足を手に入れたい。

午前2時にLINE

いつもながら音はすべて遮断しているが、

何故か目が覚めていた。


帯広で

19時半から23時まで

仲間と酒を飲み、

これで三日連続の宴席であり、

身体は睡眠を欲していたはずなのに。



陣痛カウンターなるもののスクショ

当然初めて目にするが、

便利になったものだ、と、感心してみる。

便利になった、なんて、ベテランな感想だが、

何をどうするのか、メカニズムすらわからん。


それから二時間後、旦那の車からの画像。

緊迫感をご本人からいただく。


我が子の時同様、こちらに緊張感のかけらもなし。

寝て起きてを繰り返すのだから心配しているんだろう、と思われがちだし、

文章にするとそれが伝わる感じになってしまっているのだがそうではない。

最近歳のせいか、寝つきが悪いのと、

何よりあのプロジェクトが始まってから、考えすぎて眠れないだけなのだ。



それから何度か目が覚めて、

何となくLINEのチェック

5時に「入院!」と綺萌から写真付き。


もう、これで一つの安心を手に入れた。

餅は餅屋。医療に全面的に委ねるべし。



私はホテルで朝飯を食い、

本日5件の面談と打ち合わせに臨む準備を進める。

案件に濃淡はないが、天王山はある。

今日はどれもこれもなかなかの速度の思考が求められるもので、緊張感も身に纏う。



2025年8月21日11時37分

旦那からLINE

二件目の案件の最中なので、後で知る。

テクノロジーの進歩は素晴らしい。報告はLINEで済むのだ。しかも写真付きで。



綺萌とその子が無事であればそれでいい。

送られてきた綺萌の顔があまりにも穏やかで、

送られてきた旦那の顔があまりにも幸せで、

それだけで充分だ。



綺萌はあなたの力を借りなくとも自力で幸せになれるヒトだ。

幸せにします、など、軽々しく言うな。

最良のヒトであることは、彼女の顔を見ていればわかるし、出会ってくれたことに感謝しかない。

あとは二人で好きにしろ。

離婚したくなったらすればいいし、

孫ができたとしても、見せにいかなきゃなんて思わなくていい。

あなた達の人生はあなたたちのものなのだから。



彼女が彼を連れてきた時にこんな言葉をかけた。

これは新たな命が誕生した今も全く変わらない。


綺萌が今も変わらず幸せそうな顔をしているからなのか、

俺が全く成長していないからなのか。




新たな橋本家の誕生日

皆、無事で何より。それだけで何より。

今度は3人で橋本家の幸せを共に感じてね。



おめでとう。




家を建てて22年目

ようやく我が家にエアコンが。

北海道も流石に暑くて、

ログハウスにエアコンなんて合わない、

とも言ってられなくなり。

先週の金曜日に東京で行われた会合で、

「エアコンって快適ですねー」って話をしたら、

めちゃくちゃ驚かれて。

文明に一度触れると戻れなくなる。

でも、本当に無くても平気だったんだが。


まあ、良いタイミングで設置できてよかった。



東京といえば。

なかなか興味深い出張となりました。

学びというのは、

人から言葉で教えてもらうだけではなくて。

コミュニケーションを通して、

自分の想いとかウチにあるものとかが、

おそらく引き出されて、

それが言語化できるようになり。

これも大きな学びであり。


もやもやを晴らさせることが、

自分の核を形成する作業にもなる。



法人に対してだと、

決算書を見て、その全体を分析し、

お金の流れとか、今後の投資意向とかを、

思い描くビジネスプランに照らし合わせて、

最適な提案を展開する。

あるいは、

決算書に出ていない課題をあぶり出し、

その課題解決の提案を行う。

少なくとも流動資産を見て運用しませんか、

などと、最初から切り出すことはしないし、

流動資産の量だけを定量セグメントし、

こちら側の都合で「層」を形成することはしない。



一方、個人だとどうだろう。

例えば某N総研では

一億円以上の純金融資産を保有している方々「富裕層」と定義。

様々な金融機関でも金融資産を持つ(やはり概ね一億円以上か)人たちを「富裕層」と定義し、ロイヤリティ戦略と称してビジネスを展開している。



本当にこれでいいのか、というもやもや。


金持ちを優遇するのに反対、ということではない。


日本の金融機関、特に地銀としてこの定義でビジネスを展開することが本当に適切なのかという、疑問。

課題解決のお手伝いをしたい、とか、

もっと地域の役に立ちたい、とか。


突き詰めていけば、お金だけ沢山あるひとは、お金のことで悩むのだろか、という疑問。

増やせれば良いに越した事はないが、これ以上増えたとて、その量に幸せが比例しないとしたら。


そもそもセグメントが間違えているのではないだろうか。

金融資産で一括りにしたとて、彼らが抱えている悩みや課題は多様過ぎて。あるいは、金融資産以外のことの方がおそらく多くて。




法人は流動資産額で括らないのに、

個人は流動資産額で括る。



彼もずっと抱えていた、モヤモヤ。


欧米型のプライベートバンカーを輸入して、

日本でうまくいくのか。



言語化は重要だと思った。





これぞラグビー日和。

肌を刺す紫外線。走り切るにはタフな環境。

この夏の大会、北海道選手権だけは、暑さとセットであって欲しい。


最近は特に膝の調子が悪い。

歩くのにも困難だった3月の痛みからは回復したが、ストレスのかかる明らかな痛みと違和感は消えず、気持ちも当然晴れず。

観客モードで行かねば、悪い虫が騒ぎ出すと心配していたが調子悪かったお陰?で、欲が再び顔を出すこともなく。

古びれたシューズはしまいこんだまま。

タオルも持たず、着替えも持たず、近くの公園に行くような格好でグラウンドに向かった。



昔の仲間は既に集合していて、

お前が一番やるって言ったんだろーって茶化される。誰よりも希望を持っていたのはきっと自分自身なので、誰よりもわかっている。



ウォーミングアップ。とりあえず行こう。

試合に向かう熱量が羨ましい。


ボールを持ってみた。


動いてみた。


パスをしてみた。



走ってみたい。



不思議と膝の調子は悪くない。

直前まで歩くだけでも傷んでいたのに。

アドレナリンってやつか。


それでも、走ることは叶わず。

右脚が自由に動くことはもうないのだろう。

ゆっくりながらも普通に走ることすら出来ない。



スクラムを組んでみた。

左プロップであれば、右脚を使わずとも組めるし、勝てる。何万回と組んだ習慣はそう簡単に消えることはない、が。




この程度の強度なら俺でも出来るかも、

と、おどけてみせたが、

試合などとても出来る身体ではなく、

これは鍛えたとて治るわけもなく、

心肺機能とか、筋力とか、体幹とか、

その類のことではなく。



あることがあり

札幌クラブを辞めて

何事もなかったかのような顔をして

またグラウンドに来てみたが

ラグビーの神様が許してくれる訳もなく


わかったことといえば、

もうグラウンドに戻ることは叶わない

それだけだった。



何度も何度も諦めて

それでもグラウンドに立ちたくて

身体を絞ってみたり、体幹鍛えたり、

膝周りの筋肉強化してみたり


何をすればまた戻れるのだろう。



ボロ負けしたことすら羨まし過ぎて

同じ場所いることが出来なかった。


怪我をしてもかまわないという意気込みでトレーニング再開したのに

怪我をする環境にすら戻れなかった。





また、トレーニングは緩やかにでも再開しようと思う。

来年のために。



あと何度諦めたら、諦められるのだろう。


真剣な眼差しでお客様に話しかけている。



励ましてあげようと、部下の帯同という理由である店に寄ってみたが、彼女は接客中とのことで。

こちらの打ち合わせが終わってもまだ接客中。


支店長には、頑張れよ!と伝えてもらい、帰社しよう思ったが、この店舗は応接が執務室から見える作りになっていて、彼女の横顔を眺めることが出来た。


誇らしくなる。


ありきたりだが、こっちが元気をもらった。



自分が主人公で、自分ばかり何故こんな目に合うんだろう。

彼女と二度目に出会ったときは、まさにその負のスパイラルの中にいたんだと思う。


きっと、ちゃんと自分にフォーカス出来るようになったのだろう。

事象を我が事と理解して、不幸を背負うヒロインから脱却しているかのような表情。

表情は比べものにならないくらい逞しく凛としており、素敵なひとになっていた。


素敵な人になっていました。



頑張れ!!