



俺はねー、前にも触れてはいるけど、流行りのヒット曲っていうのが嫌いなんだよね。
はっきりさせたいから、嫌いって書いたけど。
いつからかって言ったら、二十歳前後からかな。
ティーンの頃は、松田聖子が大好きだったからね、聖子のレコードはしっかり買ってたけどさ。
まあ、聖子の場合、作家陣がすごかったけどね。大瀧詠一とかユーミンだったもんなー。
そうそう、短文を目指すんだったな。
音楽ジャンルというジャンルは、全部聴いたと思うけど、二十歳から今まで色々と聴き漁って来て、贅肉が落ちてくように、要らない音楽も落ちてったね。
今、好きな音楽ベストテンって言っても、すぐ言えると思う。
そんなかで、何がトップに来るかって言ったら、これだね。
洋楽では、ベルベット・アンダーグラウンド、邦楽では、アーント・サリー。
特にアーント・サリーね。
これはもう天才でしょ。
なんで、流行りのヒット曲が嫌いかって言うと、盛りすぎなんだよ。
盛りすぎっていうのは、大げさっていうことだけど。
うるさいでしょ、第一。
俺はね、音楽っていうのは、「詩歌」と同じであって、「余白を楽しむもの」だと思ってるんだ。
詩集なんかを見てみなよ。余白が多いでしょ。あの余白っていうのは、読み手が自分で埋めてくもんなんだわな。
だから、余白に、どんな注釈がついていくかっていうのは、読み手一人一人に任されてるんであって、世界にひとつだけの詩集に育っていくんだな。
南こうせつとかぐや姫の神田川だってそうだろう。
あれも、うるさくない、語りすぎないから、みんなに聴かれ続けているわけだ。
もしあれが、「オーイエーィ!」とか「ベイベー!」とか「YO!」とか言ってみ。聴けなくなるから。
ヒット曲だって、役に立つところはあるんだよ。それは、青春の1ページになることだろう。
大人になったら恥ずかしくて聴けないけど、そんな時もあったよなと、素敵な思い出になってくことがある。
だけど、はっきり言って、それは子どもの時のおもちゃのように、いつか興味は薄れていくもんだ。
そんで、どんなものが残っていくかって言うと、シンプルなものだよな。
この、アーント・サリーのi was chosenも、ベルベット・アンダーグラウンドのサンデーモーニングも、シンプルイズベストの極致みたいな曲だろう。なんつうか、赤ん坊のうぶ声みたいな、母親の胎内から出てきて、一番最初に放った第一声みたいなね、そんぐらい、シンプルだ。
特に、このサンデーモーニングは、YouTubeにもなかなかなくて、やっと、見つけたもんなんだ。早く聴かないと削除されるかも知れないぜ。
これは、80になっても好きだろうなって思えるね。