今週の見通し・株式 続く「綱引き」方向感欠く
今週(13―16日)の株式相場は、ボックス圏の推移になりそうだ。世界景気や企業業績の悪化懸念で上値は限られる半面、米新政権の経済対策への期待感から大きく下押すとの見方も少ない。弱い実体経済と根強い政策期待の綱引きが続き、方向感に乏しい展開か。波乱要因は為替相場。再び1ドル=90円を上回る水準の円高となれば、一段安となる可能性がある。
先週は日経平均株価が22円(0.3%)下落。米ゼネラル・モーターズ(GM)の金融関連会社への資本注入発表など、日本市場の休み中に海外で好材料が相次ぎ週初は続伸したが、週後半には景気の悪化懸念が再び台頭。週前半の値上がり分を帳消しにした。
米雇用情勢の悪化が重しになり、米シカゴ市場で取引される日経平均先物の9日の清算値は8795円と、前日に比べ245円下落。東京は月曜日が休場のため12日の海外市場動向にも左右されるが、週初は安く始まる公算が大きい。
今週は景気指標の発表が相次ぐ。日本では13日発表の12月景気ウオッチャー調査や15日の11月機械受注が、米国では14日の12月小売売上高などが注目だ。悪化が見込まれる指標が多く「実体経済の悪さを再確認する」(大和証券の野間口毅投資情報部部長)ことになりそう。
半面、景気指標の悪化は株式市場では織り込まれている面もあり、一段の売り材料になるとの見方は少ない。足元の景気の悪さが鮮明になるほど「かえって政策への期待が高まる」(カブドットコム証券の山田勉マーケットアナリスト)可能性もあり、強弱感が対立する展開もありそうだ。
チャート分析では日経平均の25日移動平均(9日時点では8576円)が下値支持線になるかどうかが焦点。移動平均を割らなければ「市場に安心感が戻ってくる」(東海東京調査センターの隅谷俊夫投資調査部長)。東証一部の売買代金は7日に2兆円台に乗せたもののその後再び細っている。売買代金が回復するかどうかも、相場展開を占ううえで注目される。
[1月11日/日本経済新聞 朝刊]
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今週の見通し・NY株 神経質な展開に
今週のニューヨーク株式相場は米景気情勢と昨年10―12月期決算発表を見ながらの神経質な展開になりそうだ。雇用、消費を中心に一段の悪化懸念が強まって下落した先週の株式相場の地合いを引き継ぐかどうかが注目点だ。
先週は新規資金流入という年明け効果に期待してダウ平均が9000ドル台を回復する場面もあった。しかし、民間調査会社による全米雇用リポートで雇用者数の大幅減少が発表され、半導体大手インテルの業績見通し下方修正や非鉄大手アルコアの大規模な人員削減といった報道が相次いだことから相場は低迷。9日発表の12月の雇用統計で失業率の上昇が確認されると売りは一段と広がった。
今週はアルコア、インテルの決算が発表されるほか、12月の米小売売上高も発表になる。すでに先週発表のウォルマート・ストアーズなどの実績は予想を下回っている。原油価格の下落で、エネルギー関連企業の業績も悪化観測が出ている。年初からダウ平均は2%下落した。これまでのところ幸先のいいスタートとは言えない相場展開だ。(ニューヨーク=伴百江)
[1月11日/日本経済新聞 朝刊]