昔、俺達はしょっちゅうケンカしてた。
付き合ってた頃より、結婚したときから酷くなって。

よくある価値観の違いってやつだ。

お互いの距離が近づくほどに、心と心がぶつかりやすくなる。
何度も、何度も、ぶつかるほどにお互いの心はボロボロだ。

俺は酒を浴びて、君は目を腫らす日々が続いた。

いつものように酒を飲んだ帰り道。家に帰りたくなくて、公園の芝生に倒れ込んだ。
ひんやりと、だいぶ寒い。
でも、星が綺麗で、明るい満月が見える。
「もう、俺達は終わりだろうなぁ。」
溜め息交じりに、独り言を言うとそれと同時に流れ星が流れた。

こんな悲しい流れ星なんてあるのか。
リーン、リーンと鳴く虫の声が俺の虚しさを演出してるかのようでさらに切なくなっていた。

「もう、なにしてんの!」

はっ、と俺が目を覚ますと君がいた。

訳の分からない俺に、
「もうお酒はほどほどにして下さいよ。こんなに心配してくれる奥さんがいるのに。次からはお家に帰ってくださいね。」
お巡りさんも横にいた。

どうやらそのまま寝てしまって、交番まで連れて来てくれたらしい。

謝った後、車に乗った途端に、君は泣いて俺に抱きついた。
「無事でよかった。」

「ごめん。」俺も手を後ろに回した。

こうやって、抱きつくのもいつぶりだろう。

それをきっかけに改めて色々話し合った。

お互いボロボロになりすぎて、笑えてきた。

君なんてもう泣きすぎて目が腫れすぎて、ほとんどない。

今では笑い話しになった。
お腹の中の子にも、いつかは話すことになるんだろうな。

俺は思ってた。

お互いの距離が近づくほどに、心と心がぶつかりやすくなる。

そう思ってたけど、違った。

ぶつかるのは重なろうとするから。

重なったときに愛になるのだろう。