知識は、どこで仕入れるのだろう。義務教育で習った基本的な知識は、誰しも持っている。学業する上で、最低限な知識を持ち合わせ、知能指数(IQ)の高い子供は、偏差値知能指数によって、高等教育を受け、優秀な大学に進学していく。知識を増やす能力は、知能指数と関係している。

知識

 昔の活字時代であれば、新聞や雑誌によって知識を得ていた。文章を読むという行為は、その中身をじゅっくりと考え、理解していく良さがあった。また、ラジオでも放送される音声から、情報として聞き取れることもできた。それが、テレビのような映像時代になって、流れてくる情報は、考える余地もなく頭脳の中で消えていく。そのような時代になり、昔の人はテレビを評価して、「テレビばかり見ているとアホになる」とよく言ったものです。時代が急速に変化していく過程で情報量も増え、メディアの多様化が進み、インターネットなどからも情報を手に入れ、個々の知識摂取量が多くなったけれども、情報を知識に変えて、「物事をゆっくり考える能力」は低下したのではないでしょうか。最近では、人工知能(AI)が急速に普及しています。このAIは、人間の知識を吸収する能力以上に、コンピューターの技術により、多くの知識を吸収し、コンピューターの人工的な知能によって、発言したり、行動する。ヒトは、深く考えなくてもAIが処理してくれる、そんな時代がやって来ました。

 知識について、古代ギリシアのプラトンは「正当化された真なる信念」と言い、フランシス・ベーコンはフランシス・ベーコンは知識獲得の方法について、「知覚、記憶、経験、コミュニケーション、連想、推論といった複雑な認識過程が関係する」と述べている。ヒトは、自分で見たまたは、感じた知覚と記憶と経験をもとに、コミュニケーションなどの手段によって、連想したり、推理したりして、個々の考え方を形成していく。

知能

 知能は、ヒトにはすべて備わって、それは個人の評価にも繋がっています。個々の知能指数は、数字の組み合わせによって測られ、社会的に公表されるものではありません。ですから、個々の知能は性格の違いなどがはっきりとに現れます。たとえば、運転免許更新のときに「運転適性テスト」を行うのも、一種の知能検査です。この知能検査を開発したのが、ルーマニア生まれのユダヤ系アメリカの心理学者、デイヴィッド・ウェクスラーで、日本では田中寛一によって「田中B式知能検査」が知られています。

 ウェクスラー式では、「全検査IQ」「言語性IQ」と「動作性IQ」に分かれて算出され、さらに群指数という「言語理解 (VC)」、「知覚統合 (PO)」、「作動記憶 (WM)」、「処理速度 (PS)」の4種類の領域別の数値も算出されます。これによって、その人の人格が現れる仕組みです。「言語理解はどうなのか」「知覚がどのように結合しているのか」それによって、記憶され、「どのように行動するのか」また、「記憶された事柄を処理し、発言や行動の速度を早めるか」などが知能検査で判明する。

 個々の知能によって、性格や人格が形成されているのです。でも、このような科学的指標で、複雑な人間の心理的構造が分かるのでしょうか。現在、研究されているのが「心の知能指数(EQ)」です。アメリカの心理学者ピーター・サロベイとジョン・メイヤーにより研究理論によると、EQは他人の感情を感じ取る能力と、自分の感情をうまくコントロールし利用する能力とされています。人の感情(心)を察する能力の指標であることから、EQは「心の知能指数」と呼ばれています。EQが高い人は相手の気持ちを敏感に察し、自分の気持ちをコントロールして人に接するため、無用な衝突を生むことはなく人間関係を円滑に育む特徴をもっています。具体的には、EQの高い人は「柔軟性がある」「共感力がある」「傾聴力がある」「ストレス耐性がある」「素直」「粘り強い」を備えています。