【欠点をストレートに指摘すると、人間関係で失敗しやすい】

「他人の欠点や弱点に関しては、適度に“ぼけている”ほうがよいらしい。たとえ、それに気づいたとしても、見て見ぬふりをするというか、よく分かっていないような態度で接するべきだ。逆に、相手のよいところや素晴らしいところについては、すかさず、『ここが素晴らしいね』などと言って認めてあげることが、人間関係にとってはプラスになるのだ」

そういうことが次第しだいに分かるようになっていったのです。

若い人が人間関係で失敗する場合、相手の欠点などをストレートに指摘していることが多いので、気をつけたほうがよいでしょう。

他人の悪口を言ってしまったあとで、そのことを後悔し、悩むこともあるでしょうが、それは、「性格が本当に悪くて悪口を言う」という場合だけではありません。つまり、頭の回転が速く、人を分析する能力が高いために、相手の欠点や弱点が分かってしまう場合があるのです。

そのように、認識力が高いと、相手の足りないところなどが分かってしまうことがありますが、やはり、「時」と「場合」と「相手」をよく見て話をしなければいけません。これを間違えると、人間関係に亀裂が入る原因になるので、気をつけなければならないのです。それを述べておきたいと思います。

人間関係を向上させるためには、基本的に、相手の長所のほうに目を向ける努力をしたほうがよいでしょう。長所をよく見てあげる一方、弱点については、あまり追及せず、ぼんやりと緩やかな目で見てあげるほうがよいと思います。

相手の欠点や弱点を知らないよりは、知っておいたほうがよいのですが、それに気づいたとしても、緩やかに見ていくように努力をしたほうがよいのです。
(心を癒す ストレス・フリーの幸福論p76)

◆長所と交われば悪人なし。
◆相手をほめるときは、本心から。