儒教を一言で要約すれば、「修己治人」(しゅうこちじん)ということになります。己の心を統御して、人様のために生きるという意味で、現代の私たちの生きる指針にもなります。
そこで今回ご紹介するのが、儒教の根本経典の『論語』を分かりやすく解説した守屋洋『世界最高の人生指南書 論語 人生に革命を起こす最強の生き方』(SBクリエイティブ)です。
著者の守屋洋氏は、中国の古典に関するたくさんのベストセラーがあって、分かりやすくまとめられています。彼の著書シリーズは、私の愛読書です。
たとえば、
・『論語』は、孔子という人物の言行をまとめた古典である。孔子その人が折に触れて語ったことばや、弟子たちとかわした問答を中心に全部で五百くらいの短い文章が収められている。
別にむずかしい理屈をこねているわけではない。ほとんどが日常の生活や仕事についての実践的なアドバイスからなっている。そういう点から言っても、人間学の教科書としてうってつけなのである。
・「君子に三畏(さんい)あり。天命を畏れ、大人を畏れ、聖人の言を畏る。」・・・(中略)・・・「畏る」(おそる)とは、重んじ敬うこと。「畏敬」という表現が最もふさわしいかもしれない。
まず、天命である。「五十にして天命を知る」(為政篇)と語った、あの天命である。天命とは天の意志を示しているのだが、「命」の一字で使われることも多い。
とあり、儒教は「鬼神(きしん)を語らず」で、無神論、唯物論だと主張されることもありますが、上記を見ただけでも、神仏の存在を前提にした人生の指南書であることが分かります。
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