今年の夏は、8月21日〜28日とアフリカのビクトリア滝に行ってきました。これで、南米のイグアス滝、北米のナイアガラ滝につづき、世界の三大滝を制覇しました!当院では、ストレス緩和のために、「瞑想トレーニング」をしていますが、患者さんを指導する際には、こういった自然に触れた経験が生きてきます。
さて、今回ご紹介するのが、人気恋愛小説家、市川拓司さんです。市川さんは発達障害(アスペルガー症候群とADHD)と診断されており、これまでの半生を綴っていて参考になります。市川拓司『ぼくが発達障害だからできたこと』(朝日新書)です。
特に興味深いのが、市川さんが、ご自分の発達障害の経験をスピリチュアリティとの関連から述べているところです。
たとえば、
・うちの父親は、ずっと亡くなった母とともに暮らしています。昔から父は「幻覚体質」で、いろんなものが見えちゃうひとだったんだけど、それがいい感じに作用して、なんだかとっても幸せそう。父がうつらうつらしていると、母が父の額を指で突きます。・・・(中略)・・・叔母も普通に亡くなった叔父たちが見えるって言うし、うちはみんなそんな体質。だからこそ、ぼくは『いま、会いにゆきます』で死んだはずの妻が還ってくる話を書いた。
・さあ、ついにたどり着きました。臨死体験。ひとが人生の終わりに見える壮大な物語。これを一番語りたかった。ぼくが書く小説のほんとの正体。
などなど、市川さんが、いわゆる「霊体質」であり、それが創作意欲の源泉であることを告白されています。
ただ、本書では、発達障害を「脳障害」であると説明していますが、後天的因子でも発症するといわれており、脳障害で発達障害のすべては説明できません。臨死体験が、まさに脳機能が止まった状態で人間が経験する体験なので、脳機能で人間の思考活動をすべて説明できないのです。
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