中古車と廃車同然の車をどこで区別するかについて、環境省と経済産業省がガイドライン作成に乗り出す。廃車同然の車が中古車に紛れてオークションに出品され、車の持ち主が負担すべきリサイクル料金を解体業者が支払う事態が起きているためだ。【足立旬子】

 05年に施行された自動車リサイクル法は、廃車する持ち主にリサイクル費用の負担を義務づけている。中古車として売れる限りはリサイクル費用を負担しなくていいため、ディーラーなどは、故障や事故で動かなくなった車でもオークションに出品するようになった。一方で解体業者は、廃車の流通が減った結果、オークションに参加し、リサイクル料金を支払って解体するケースが増えているとし、持ち主が支払うとする法の趣旨にそぐわないとしている。

 背景には中古車輸出の増加と中古車オークション市場の急成長がある。日本オートオークション協議会によると、出品数は04年に681万台だったのが、08年は887万台に増えた。法施行前は、主にディーラーが車を下取りし、中古車販売業者や解体業者に振り分けていた。施行後は多くの下取り車がオークション経由になったため、廃車の入手が困難になった解体業者から不満の声が出ていた。

 ガイドラインには、エンジンの欠損、走行距離などの項目があがっている。来月にも中央環境審議会と産業構造審議会の下に検討会をつくり、夏までの作成を目指す。車の価値をめぐっては、「市場に任せるべきだ」などさまざまな考え方があり、線引きをめぐっては論議を呼びそうだ。

 ◇ことば 自動車リサイクル法

 メーカーなどに破砕くずやカーエアコンのフロン、エアバッグの回収とリサイクルを義務づけた。リサイクル料金は車種によって異なり、乗用車で約7000~約1万8000円。不法投棄を防止するため、新車購入者が購入時にあらかじめリサイクル料金を支払い、リサイクル券が発行される。中古車として売る場合は、次の持ち主がリサイクル料を支払い、リサイクル券を受け取る。

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