僕は本の中でも特にミステリーが好きだ。
きっかけは小、中学生の時に読んだミステリーの金字塔ともいえるアーサーコナンドイルの「シャーロックホームズシリーズ」にドハマりしたことだ。初めての長篇小説で当時の私には少し難しいと感じたが、それでもとても面白かった記憶がある。この作品から読書に目覚めたと言っても過言ではない。それから東野圭吾、伊坂幸太郎、湊かなえ、知念実希人などを読んだ。
特に湊かなえはほかの作家と決定的な違いを魅せてくる。それはそれぞれの登場人物の主観で物語が進むということだ。通常ミステリーといえば、探偵がいて容疑者がいてその他がいて、探偵の主観、もしくは僕たち読者つまり第三者視点から物語が進んでいく。そういったお約束を綺麗に破り、登場人物それぞれの主観で進めていく文体は圧巻という他ない。女性作家だからこそ書ける生々しい心理描写がとても好きだ。
最近やっともう一人の名作家アガサクリスティを読み始めた。「オリエント急行殺人事件」はめちゃくちゃ面白くて、話の構成も、人物の描写も、事件の真相も何もかもハイレベルだった。やはり世間が名作と謳っている作品は読んだほうがいいと思った。ミステリーは自分で犯人を予想して「お、合ってた」「あ~そうきたか」と真相に一喜一憂出来ることも魅力の一つだと思う。加えて予想から真相にいくにつれて高揚感が増していくところも好きな理由の一つだ。このような理由と好きなジャンルということから、他ジャンルより読みやすいと感じる。集中すれば一時間に100ページ近くは読めていると思う。
逆に戯曲やSFは、ミステリーより強い想像力を要求されるので結構疲れるし時間もかかる。哲学書なんかは全体の半分も理解できているか怪しいくらいだ。例えばオルテガの「大衆の反逆」という本がある。これは、前半は大衆の何も考えずにただ生きているだけ、ただ批判しているだけの人をどれほど愚かなことかといった現代社会にもつながる内容を書いており面白かった。逆に後半の国家が云々、世界の支配が云々はあまりよくわからなかった。こんな感じで半分くらいしか理解できてない。だがそれでも得られるものがあればいいと思う。数年後にまた読み返してみたら理解できるようになるかもしれない。
ここで各著者の特に好きな作品を挙げようと思う。
アーサーコナンドイル:シャーロックホームズシリーズ
アガサクリスティ:オリエント急行殺人事件
東野圭吾:ガリレオシリーズ、白夜行、幻夜
伊坂幸太郎:オーデュボンの祈り
湊かなえ:告白、贖罪、母性
知念実希人:仮面・時限病棟