配給:新日本映画

監督:塚本晋也

脚本:塚本晋也

(ユーロスペース 2)

 

幕末を舞台にした時代劇。塚本監督にちって初の時代劇。例によって登場人物は少ない。

浪人に都築杢之進(池松壮亮)は農家の手伝いながら風雲急を告げる江戸に出ることを考え稽古に余念がない。農家の娘ゆう(蒼井優)は杢之進に好意を抱いていた。江戸に行く同士を探していた同じく浪人の澤村次郎左衛門(塚本晋也)は杢之進の剣術に惚れ彼を同士に勧誘する。そんな中、村に質の悪い浪人たちが現れた、、、。

いきなり真っ赤になった鉄を鍛えて刀を作り上げる場面から始まる。刀が鞘から抜かれる時、刀が構えられる時に発せられる音がそのずっしりとした重さを感じさせる。この作品は登場人物たちが何を考えどう行動するかというよりも、刀をどう描くかに重点が置かれているようだ。刀による斬り合いがどれだけ壮絶で陰惨なものか。あっという間に頭が割れ、手や足が吹っ飛び、血がどくどく流れる。決してスカッとしたものでなく、勝った方も傷つく。斬り合うということに集中して描いた塚本流時代劇。

気になったのは、何故彼らは袴を着けてないのだろうということ。旅に出るというのに着流しという出で立ちにちょっと違和感を覚えた。