あるセミナーで、日本の神話には中空構造たるものがあるということを知った。

 

それは、河合隼雄の「中空構造日本の深層」という著書に説明されている。

 

そこでは、下記観点が記載されている。

 

①日本神話の中でも重要な局面で出現している三つの神。その中心となる神が無為となり

その後、神話の中でほとんど姿を見せなくなる。

 

②たとえば、アマテラス、ツクヨミ、スサノオといった三つの神が生まれたときに、月の神であるツクヨミが出現しなくなり、アマテラスとスサノオを中心に話しが展開していく。

 

③②の例は、他にも二つほど例があり、いずれも神話の中では重要な局面。

 

④そして、三つの神の一番重要と思われる神が不在となり、中心が空に見える。

 

⑤残りの二つの神で話が進むわけだが、見方によっては、どちらかが中心に座り、もう一人の神と対立構造を作る。

 

⑥その対立は、善悪の対立ではなく、男性原理と女性原理という対極で位置づけられ、一時的にどちらかが優位になりつつ、もう一つの原理がカウンターバランスをとっている。

 

⑦いうならば、真ん中が空の球体の周りに、神が巡回しているような形。それは、外的進入を許しやすいが、いつの間にかまたそれが周辺化され、中心を支える構造となる。

 

といったことが述べられている。

 

これは、日本のおける政治や企業のリーダーのあり方に大きく影響する要素と考える。