「余計なトレードをするな」に代表されるように過剰トレードを戒める言葉がある。過剰トレードは良くない、そこは同意。しかしそれを曲解すると「トレード回数は少ないほうが優れている」となってしまう。果たしてそれは本当か?

 

 4h足の約2ヶ月分、ローソク250本程度の画像。仮にトレンドフォロースタイルでトレードしているとすると…矢印の2場面が狙える。ベストのタイミングでのエントリー&決済ができればトレード回数は2回で済むだろう。もしトレンドフォローなのに3回以上エントリーするとなると、トレンドでないところでエントリーするか、トレンド途中なのに決済した時の入り直しか、つまり何かしらミスをしていることになる。

 つまり、手法がコレと決まっているならその最適エントリー回数というのもある程度決まってくるので、最適回数を大きく超えたり極端に少ないときは何かミスが起こっているということ。

・ミスをしないから、最適トレード回数に近くなる

のであって

・最適トレード回数に合わせると、ミスが少なくなる

これは大きな間違い。因果関係は前後を逆にしても常に成り立つわけではない。

 

 ついでに、トレード回数が少ないスタイル(トレードルール)は優れているのか?基本的には少ないほうが注文の手間は少ないし、スプレッドを払う回数も減る。が、極端に少ないと勝てるかどうかは相場次第、運に左右されやすくなる。

 同じく二カ月間の4h足。同じようにトレンドフォロースタイルで挑むとすると、画像中央の上昇トレンドだけがチャンス。だが、それなりに大きな下落を挟みながらの上昇なのでこれをホールドし続けれるか?ここでホールドできるなら画像右半分のもみ合いに突入してもまだホールドしそうな気がする。この期間は先に挙げた2ヶ月間より難しく、成績も落ちるのではないか。

 よって「トレンド発生を確認後、そのトレンドに乗って利益をあげる」というトレンドフォロースタイルでは、2ヶ月内で成績を安定させるのは難しそうだと言える。このスタイルで安定した結果を求めるならもっと集計期間を延ばす。2ヶ月内で成績を安定させたいならトレード回数が何十回とあるようなスタイルに変更することになる。