フルタイムで仕事に復帰して、そろそろ1か月が経とうとしている。

日中の暑さは相変わらずだが、朝晩は涼しい風が吹いている。

1週間はとても長いのに、1か月はあっという間に感じてしまう。

 

部署が変わって1か月。前の部署と同じフロアで隣り合わせなので、俺にとって諸悪の根源であるあの男の声、存在だけは手に取るようにわかる。

 

しかし、そんなことよりも一番感じているのは「疎外感」。

隣同士で数メートルしか離れていないのに、かつて一緒に仕事をしていた人たちとの会話はなくなる。そして、休職前は長年お昼に一緒に外食をしに行っていた仲間も俺のことを誘わなくなった。

 

俺がいなくとも、何事もなかったかのように会話や仕事がなされていく。

俺は新しい部署で黙々と仕事を進める。昔は仲間に頼りにされていたが、今では相談しに来る人はもういない。

復職して変わったことと言えば、お昼休みは一人でコンビニ弁当を食べ、会社の屋上で煙草を吸うようになったこと。やる気が沸かない仕事を淡々と処理すること。暇な時間が増えたことだ。

 

俺だけがどこか何もないところに取り残され、昔の仲間ははるか遠くにいるように思える。

 

この上のない疎外感に自分の存在がはかないものだと思ってしまう。それと同時に誰かに会いたい。誰かと心から楽しく会話をしたいとう気持ちが強まる。

 

『たまらなく誰かに会いたいのに、誰に会えばいいか分からない。誰が私と会いたいと思ってくれているのか分からない。私には会いたい時に理由なく会える人がー友達と呼べるような人が、もしかしたら誰もいない。社会人なんて皆案外こんな感じなのかもしれない、そう思おうとするけれど、それでもやっぱり絶望的な気持ちになる。』(出典 新海誠作「言の葉の庭」より)

 

この文章の意味が心に染みてよくわかる。