アウトバーンを走っているときは、シフトチェンジもほぼ不要なので、順調に右側車線を走り続けたが、一般道に降りるところからが大変だった。

 

減速するときに、シフトダウンするのかしないのか教習所で習ったことは覚えていない。エンストさせないために、停止するときにクラッチを踏むことは覚えているが、原則の時にクラッチを踏むのか踏まないのか、踏むタイミング、同様に全く覚えていない。事故を起こしていないので、特に問題はなかったのであろう。

 

一般道で難しいのは主に3つ。右左折があること、信号があること、環状交差点があることである。

 

右側通行で、右折しようとすると大回りしがちだし、左折しようとすると逆に小回りしがち。日本での右左折のイメージで視線を動かして、視線の先に対向車がいて、焦ることが何度かあった。

 

信号は、特に、信号での左折。左折できるのは、当然直進してくる対向車がないタイミングに限られる。慌てて発進しようとしてエンストし、3回信号待ちしたこともある。後続車からクラクションを鳴らされることはなかったが、交通ルールの違いだろうか。

 

環状交差点は、環状の道路に、放射状に複数の道路が接続されているもので、信号がなく、右折で環状道路に入り、環状道路を周回しながら進みたい道路に右折ででていくものである。1994年当時、日本では経験したことのない交差点であった。ただ、周回車が優先の中、一時停止した後、交差点に進入することが、エンストの恐怖との戦いであったのが、難しく感じた大きな理由の1つである。もう1つの理由は、元来、方向音痴であり、運転に気を取られており、景色に全くなじみのない私にとって、周回道路に入ったのち、正しい道を選べるかである。つまり、この環状交差点は、入ること、出ることの両者が難しかった。

 

最後は、目的地に着いて駐車場に車を止めるとき。無意識に左回りで入ってしまったが、一般にドイツでどうなのかはわからない。怖かったのが、対向車がきたとき。駐車場内は特に車線がわかれているわけではないので、互いに譲り合うことになるのだが、つい、左側に寄ろうとしてしまった。右側通行のドイツでは、右側によるのが自然であろう。駐車場内で両者ともに徐行に近い状態だったので、正面衝突は避けられたが、最後に、最大の恐怖を味わってしまった。