パスポートを引っ張り出して確認してみたら、最初のドイツ訪問は、1994年の6月の半ばから7月の半ばにかけてだった。

 

フランクフルト空港に到着して、先ずは、日本円からドイツマルクに両替をした。この当時は、まだユーロではなく、各国通貨だった。乗り継ぎのブリュッセルでは、ベルギーフランに両替したのは記憶しているが、そこで食事をしたのか、買い物をしたのかは、まったく記憶にない。

 

訪問先の研究所の周辺の情報、及び、現地での実験のスケジュールを考えると、度々両替に出かけることはできそうもなかったので、必要と思われる分は、一気に両替をしてしまった。宿舎代と食事代など、一日100マルクあれば十分という事前情報があり、1マルク80円くらいのレート、1か月の滞在、などを勘案して、25万円ほど両替したと思う。レートも、総額もさだかではないが、1000マルク札2枚、500マルク札2枚、あとは、ほとんど硬貨を渡された気がする。100マルク以下の札も受け取ったかどうかは記憶がない。ただ、何十万円かが、4枚の札になった、ということだけ覚えている。100マルク札が1万円札とほぼ同等の印象だったので、1万円札30枚が、10万円札2枚と、5万円札2枚になった、という印象である。札が少ないとなんとも心細い気分。

しかも、後で体験するのだが、ちょっとした買い物では、おつりがないなど、100マルク札すら断られることがある。そうすると、1000マルク札なんて、どう使ったらよいのだろうか。どう処理したかは、これも記憶にない。ただ、宿泊費だけで、1500マルクくらいはかかるので、そこで、大きな札を2枚使えることはわかっていたので、残りの2枚は、なんとか使えたのだろう。

 

30年近く前のことなので、忘れていることは多いが、いざ、記録に残そうと思うと、色々と思い出せるものだ。ただ、記憶が正しいかを確かめるすべはほとんどない。