以下、いつものまとまりない感想と一部ネタバレありです。皆既食については、思った以上に語ってしまいました。長くてスミマセン。
スリルミー。
まず始まった途端、空気がガラッと変わりますねー。始まる…というゾクゾク感がありました。そして松下さんの50歳くらいの時と20歳くらいの時の役の切り替わりが、すごかったです。
一瞬で過去と現在の空気を作り出す力。
あー、こりゃ確かに誰でも出来る舞台じゃないってわかるわ…。
大学生の私の、舌足らずなしゃべり方!
松下さんのこの感じが好き。今まで(って言ってもカツヒロと出てたドラマとトクボウの役しか見たことないですが)松下さんの演技はこのしゃべり方なんだって思ってたけど、今回、中年の時のしゃべり方を聞いて違うってわかりました。
よく考えたら当たり前かもしれないけど、普通に喋れるのねって。そうか、役柄で変えれちゃうのか。それにしても舌足らず、可愛いです。
しかしですね、あの事件で、彼と一緒にいる為に私が仕組んでいたって事が明らかになった時、初めてゾッとしましたよ。あの舌足らずで弱そうな青年だったから余計に、、、
何?ギャップ萌え?いやいや、萌えじゃない(笑)こういう人間が一番怖いのだ。
狂おしい程に彼を愛し、欲している私。
松下さん演じる私を、もう一度観たい。
彼役の小西さんがまた、おっそろしく美しい方でした。なんか手懐ける事の出来ない野生の豹のように美しい…とか考えてたら、美しい豹?…アッシュじゃーん!って(笑)
バナナフィッシュをやるならアッシュ・リンクスはこの人だな、ああピッタリ!じゃあ英二は?松下さんでピッタリじゃーん!ってね(笑)
そんな妄想はさておき。
物語の感想は書こうとしたけど上手くまとまらないのでやめました。というか、一度観ただけじゃ語れない舞台。
またスリミを再演してくれるなら、次も必ず行きたいって思います。絶対。
お次は皆既食。
映画では、ディカプリオがランボーを演じて話題になりましたね。美しい映画だったなぁ。ディカプリオランボーが素晴らしすぎるのだ。

さて舞台は…。
薄暗い部屋の中に浮かぶ蝋燭の灯りたちが(全て本物)幻想的でとても綺麗。そして 舞台上のセットが目まぐるしく変わる変わる。スタッフさん頑張ってました。
まずね、生瀬さんのヅラね(笑)
事前に見ていた映像でこれどうなんだろって思ってたけど、やっぱり違和感ありありでした。境目がさー。地毛で良かったんじゃない?
そしてランボー役の岡田さん…完璧です!
この容姿ならベニスに死すも出来るよ!

出てきた瞬間はキャップ!って思ったけど(笑)しかも暴言吐きまくる姿は赤城左門を思い出すし、傍若無人な振る舞いは青山ちゃん思い出すしで、最初のうちは暫くひとりST。←私の脳みそのせい。
でも、ああ、美しい。ベッドに横たわってるシーンが多いので、ヴェルレーヌを見上げる表情がね、これまた可愛いくて美しくて堪りません。

最初の方で岡田さん台詞噛んで、こりゃ始まるかなって思ってたら、むしろ生瀬さんが噛む噛む。

無邪気なランボーに映画思い出したー。↑あ、鏡にハゲヅラ写ってる(笑)
で、太陽と月に背いてが観たくなったのに、いつも利用してるとこのレンタルになかった!ショック。ちなみに映画では、ランボーが両手で湧水(川だっけ?)を掬いヴェルレーヌに飲ませてあげるシーンが好きです。
傷つけ合う事でしか愛し合えない二人の、ほんの一時の、穏やかで幸せな時間って感じで、ディカプリオランボーの笑顔が素で幸せそうで、泣きたくなる。
画像探した↓笑顔の瞬間ではないけど。

岡田ランボーの無邪気な笑い顔も、泣きそうな笑い顔も素晴らしいですが
↓この顔!カワユスwwそして生瀬さんのハゲヅラの違和感(笑)

実は途中、眠くなったりした時間もあったけど。ヴェルレーヌにこんな風貌で「俺だってもうじき30になるんだ」って言われた時は目が覚めたよね。
ちょっと、ここから毒吐きます。
まず生瀬さんが噛みまくりだったのには参った。やっぱりその瞬間て現実に戻されるじゃん。あとハゲヅラもね。これは生瀬さんのせいじゃないけど。
岡田さん。映画ではかなり際どいシーンなんかもあったけど、舞台ではなかったから余計にか、ヴェルレーヌに対する愛を感じにくかった。これって作品にとって致命的ではなかろうか…。
ただこれねー、岡田さんがどうってより、やっぱり演出だよなぁ。岡田さんは初舞台にして、この膨大で難解な台詞をこなしていたし、声もよく通るし聞きやすかった。何より舞台映えするスタイルと、出てきただけでハッとさせられる存在感。言わずもがな、演技力は絶対的にある人だとも思う。
ただひとつ思ったのは、もしかして単純に、私がこの岡田ランボーのしゃべり方があまり好みではないのかも?だとしたら毒吐いてスミマセン。
でも16歳の天真爛漫で軽やかで痛々しい程の若さ溢れる岡田ランボーは本当に可愛かったし、ヴェルレーヌに置いていかれる時の「ねぇ!どこ行くの!?」って泣きそうに(泣いてた?)叫ぶとこも良かったし、ヴェルレーヌを突き放す時の冷たさには愛の終わりを感じて苦しくなった。つまり、岡田将生は素晴らしかったのだ。
なーんか、何を言いたいのか自分でもわからなくなってきたぞ。
とにかく言えるのは、勿体ないって事!!
これだけの「役者」が揃ったのに!
私が観劇したのは舞台が開いてまだ数日目だったので、千秋楽に向けて、色々な見せ方が変わっていったら、これほど素晴らしい舞台はないってくらいの作品になるんじゃないかなー。そうなる事を祈るし、私がとやかく言わずともなってるはず。
そしてその進化したであろう舞台を収録してDVD発売して欲しいー!岡田さんの繊細な演技は絶対に映像で観る価値ありだ!
さてさて話は戻りまして。
この舞台は年老いた(といっても実は50歳前)ヴェルレーヌの独白で終わります。
ふ、と現れた美しきランボーの幻。(ランボーはもう亡くなっています)
年老いたヴェルレーヌの横に立つランボー。
見つめ合う二人。
なんだか、暗い舞台の真ん中で白い光りに包まれる二人の画がちょっと既に切ない。
ヴェルレーヌ「俺の事、愛してるか?」
ランボー「僕は、あんたの事が 好きだよ、 もちろん」
それは20年前にも交わした言葉。
岡田ランボーの、独特の間を持ったこの、寂しくて愛してて苦しそうな言い方がとてつもなく素晴らしかった。
ランボー「あんたも僕のことを、愛してる」
頷くヴェルレーヌ。
ランボー「じゃあ、テーブルに手を」
跪き、おずおずと両手をテーブルに乗せるヴェルレーヌ。
ランボー「掌を上にして」
ヴェルレーヌが掌を上向きにすると、ランボーがゆっくりとその手に触れます。
20年前、同じようにテーブルに置いたその手にナイフを突き刺したランボーを、年老いたヴェルレーヌはじっと見つめます。
何も言わず、そっと身を屈めて
ヴェルレーヌの両の掌に優しく口付けを落とすランボー。
あの時の様な鋭いナイフではなく柔らかな口付けを落とされる掌に、ヴェルレーヌは静かに目を見開き、ランボーを見つめます。
静寂の世界で、二人は確かにお互いを愛していて、それはとてつもなく切なくて美しくて、悲しくて幸せで、狂おしくて穏やかで、このラストシーンを観るために来たのだ私は!ってくらい、本当に良かった。
と、同時に「終わり良ければ全て良しってか?」とも思ったけど(笑)
ああ、しかし、このシーンは思い出すだけでウットリする。
最後に。
舞台でランボーやヴェルレーヌが詩を書いたり朗読するっていうシーンがなかったので、少しそれが寂しかったので、映画のラストシーンから。
死後も毎夜 彼に会っている
私の大きく輝かしい罪と
私たちは幸福だった
忘れない
見つけたよ
何を?
永遠を
太陽を溶かし込んだ
海だ

映画が素晴らしかったっていう終わり(笑)
最後まで読んで頂き、ありがとうございました!