未来を創れ!「不全世界の創造手」 | HROレポート

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不全世界の創造手(アーキテクト)


「第六大陸」「復活の地」「天涯の砦」などで知っている方もいると思います「小川一水」氏の作品

小さいながらも特殊な技術を持っている「戸田製鋼」その一人息子「戸田裕機」は
Uマシンという自己増殖が出来る機械(フォン・ノイマンマシーン)を開発、
これによって世界は変わる、いや変える!と意気込んでいた矢先、
会社が合併の波に飲み込まれ、工場(工房)を失ってしまい、
裕機のUマシンの開発も止まってしまった。
時は過ぎて裕機18歳、ネットに公開していたUマシンによるプランに投資をしたい
と申し出る企業が現れた、その時の裕機の決断は?

これは自ら作り出したUマシンによって世界を変えていく男の物語です。
Uマシンは自己で増殖することができ、最初は数体でも日に日に増やせますから
数日で何10倍もの個体を生産し、人海戦術が可能な単純作業に非常に向いています。
そのマシンを使って裕機は世界で短期間、低コストで工事を行います、
しかも裕機の行動はどこまでもまっすぐでブレません、
地元の住民に迷惑がられようとそれを分かった上で作業を進めます、
正しいと思ったことはやり通します、その先に良いことがあるのを信じていますから。
でも、たとえ良いことでもそれを実行するのは大変なことです、
その国その地域にはそれまでの暗黙の了解などが存在し、
色んなモノに警戒心を持っていたりします。
それを良しとして実行していける裕機には何に対して尻込みしてしまう
自分は色んな事を感じてしまうわけであります。


世界的に不況となっている昨今、ネガティブな思考に陥ることが多いとは思います。
でも、こういった夢のある未来の技術がが本当にできると信じ、
それに向かい頑張っている人達もこういう風に日々闘っているのでしょうか?

そんなに長編でもなくサクサク読めて面白いので、オススメですよ。