EROWA製 Robot-X 製品収納時のダンマリとX軸,Z軸の上下動異常動作について | ♪高橋裕美のブログ

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■トラブルの再発

 今年3月頃からエロワ製ツールチェンジャーのX軸とZ軸が誤動作して、ツール収納ロータートレイにチャック爪が突っ込んでしまい動作しなくなってしまう現象があった。

 その頃からエロワ日本のサービスの方に来て頂き作動油やアキュムレータにオイルフィルタ、更にX軸のケーブル自体も交換して頂いたが今回はダンマリをして、その後に誤動作を始めたので基板を入れ替えた。

 入れ替えた基板は上図の様に基板ラック内にある一番左上の物で、右上図の様な24VからDC-DCコンバータで±15Vを作り出すものが付いているだけである。

 今まではX軸のケーブル交換で直るかの状態を確認していたが、今回以前から出ている状況と同じ症状が出た為に基板交換を行ってみた。

 後はこの状態で使ってみる事にして、これで直れば基板も交換したままで購入と言う事になる。

 また、同様の症状が出たならば他に原因があると言う事になる。

 

■今回の状況

 今回は夜勤でのトラブル発生で、以前の様にX軸やZ軸がガタガタと誤動作するのではなく最終加工の製品を収納している時に収納せずにロボットハンドの爪に製品を持ったままで動作が終わっていた。

 ローターテーブルは最後に原点復帰した為にこの位置にあるのかどうかは不明だが、おそらく手前の右側連続的に加工した製品がある為に、それらの右横に入れる予定だったのではないかと思われる。

 一度カバーを開けているが、ロボットは次の位置を加工機側からの指定待ちになっている様である。

 一見してロボットチャックの定位置に製品固定ベースが乗っているように見えるが・・・

 真下からロボットチャックを見てみると上図の様になっており、製品固定ベースに取り付けられているエロワチャックが本来詰めの先端にある窪みのある部分でクランプするのに対して、今回は上図の様にかなり奥までエロワチャックが押し込まれており、チャック爪が挟まれて外れなくなっているのが分かる。

 結構しっかりと噛み合わさって取れない為に、上図の様にエロワチャックの中心ネジを取り外して先に製品側を取り外して見たのが上図である。

 上図の様な状態になってもなかなか外せず、チャック爪を開いた状態でも上図の様にチャック爪が広げられる程内側の方へと入り込んでしまっている。

 その為に、上図のエロワチャックの残り部品中央の穴に六角穴付きボルト用のスパナを挿し込んで、コジル様にして少しずつ取り外していた。

 自動運転中でなかなかどこでこの様にエロワチャックがチャック爪の奥に押し込まれたのかは不明だが、加工機に製品を取りに行った時に押し込んだか、もしくは製品をローターテーブルに収納する際に押し込んでしまったのかは不明である。

 そしてこの現象が以前から発生しているX軸やZ軸の誤動作で勝手に前進したり下降したりする要因で起こったものなのかはわからないが、この後に復帰させて動作テストを行おうとした際に小さくではあるがX軸が出る方向にZ軸が下がる方向に誤動作し始めた事から、少なくともX軸のケーブルを交換しても以前からの誤動作が発生する事が分かった為に、まだ以前からの原因が掴めていなかった事になる。

 

■基板交換後の動作確認

 最初に記載した様に以前からの症状が発生した為に、お借りしていた基板を交換してから復帰してみる。

 上図は取り外した基盤だが、DC-DCコンバータの手前に見える製造日が2002.12と言う事から20年位は経っていると言う事でかなり古くなって来ているのは事実である。

 DC-DCコンバータの場合には回路上、実際の容量の80%前後以下で使用すると異常発熱をしてしまうが、どれだけの消費電力かは分からないが実際の動作時には火傷をしないまでもかなり高温になっていた。

 エロワの制御は400Vで動作している為に気を付けなければならないが、±15Vのスイッチング電源等を用意して、この基板を流用して別電源から供給してあげたい様な気がする。

 基板交換後は加工機側からの自動運転指示で製品でない物を3回程度搬送及び収納をしてみた。

 その際に加工機側に製品を取りに行ってから製品収納を行って別の製品を取り出して加工機側にセットする動作では何の問題も無く動作するが、加工機側に行かないでローターテーブルから直接製品を持って行き加工機側にセットする際に、ローターテーブルにロボットチャックを挿し込む位置から3回ほどローターテーブル全体が揺れる程の振動が起きる様な持って行き方をする(動画参照)が、若干危険な感じはするがとりあえず製品は持って行けている為にそのまま使用してみる事にした。

 この、【待機位置⇒ローターテーブルへ⇒製品取出し⇒加工機へ】の動作とその前に加工機から製品を取り出してローターテーブルに収納する【加工機⇒製品持ち上げ⇒ローターテーブルへ⇒製品収納⇒待機位置次の製品へテーブル回転⇒ローターテーブルへ⇒製品取出し⇒加工機へ】の動作でローターテーブルへ前進するポジションや動作が違う物なのかはプログラムの詳細が分からない為に不明である。

 

■DC-DCコンバータについて

 今回壊れたと思われるDC-DCコンバータは現在も販売てされており、交換しようと思えば購入して交換する事も可能で、以下の様な製品である。

 どれだけの消費電力を使用しているかは不明だが、熱がすごい為にまた破損してしまう可能性もある。

 そんな時にはオプションで右上図の下側にある放熱板も出ている為に、これを取り付けておく事により多少は冷却効果が上がり、熱による破損も少しは低減する可能性もある。

 また、DC-DCコンバータを交換するのではなく基板から取り外してしまい、そのDC-DCコンバータが取り付けてあるDC側の±15Vの基板端子から線材で引出し、通常のスイッチング電源を使用して電源を供給する方法もあるが、エロワのAC電源が400Vである事から上図の様なDINレール取付型のDC-DCコンバータを使用する事も出来、この方が安価で放熱性も良いだろう。

 その際には1次側の電源は基板上から取るのではなくDC24Vの電源から直接供給する方が良く、もしも電源スイッチ投入後にONする必要があるのであれば、基板上から引き出した従来のDC-DCコンバータ1次側の電源で一旦リレーを駆動しておき、その接点で外部のDC-DCコンバータをONにする様にする。

 また、上図の製品ではリモートコントロール端子もある為に、これを利用してON/OFFする事もできる。

 今回は上図のX軸ケーブルとDC-DCコンバータが付いた基板を交換したが、基板は上図2.の15万円と高額な為に牧野フライス製のEDGE2にも同じエロワ製のチェンジャーが付いている為に、万が一同様のトラブルが発生して場合には今回壊れた基板を利用して外部に別電源を取り付けた方が安価で済む様になるだろう。

 その追加回路図の概略は上図の様になるが、リレーはできるだけDC-DCの一時側の消費電力をオーバーしない様に、MY2N等のコイル電流の小さい物を選択する様にする。

 基板は着脱し易い様にDC-DCから引き出した線材にはナイロンコネクターを取り付けておく。

 設備から電源を取る場合には、できれば2~3AのサーキットプロテクターをDINレールに合わせて取り付けておくと良いだろう。

 上記表の様に、部品を全て揃えても8千円程度なので、15万円かかる基板交換よりはかなり安くなる。

 DINレールは現在取り付けてある物をそのまま利用する事にする。