HD-115VR #2535 中古品です。
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甲貼り年月は2010年6月
いわゆる戦前マーチンD-28のイメージです。 音の全体ニュアンスはHD-701が元になっていますね。
硬質なトーンで、1音1音に主にトップ材の木の味が濃いく感じるもの。 

復刻時から作るさまを見ていた私としては、HD-701は復刻後の百瀬さんのギター作りの一つのピークだと思っています。 私自身も毎ロット完成品を音出しして、色々と百瀬さんと感想を語ってたのですが、あの当時の求めていたイメージの到達点です。 そしてすぐに次の求めるものへと百瀬さんは向かって行くわけです。


この頃に世間でよく見かけたアディロンは年輪の幅がやたら広くて濃淡まちまちだったりしたものですが、百瀬さんはかなり見た目の良い物、そして硬質(粘りがあるって表現が正しいかも)な材を選定してます。

115VRは少し濃い目な飴色に着色して完成してて、経年で焼けてこれまた良い風合いの色になっています。

トップ面の装飾はボディ外周はアイボロイド(象牙柄)セルに小さめのヘリンボーン。ロゼッタは太目のところはセルではなく木材を使っています。 そしてピックガードは現物見るとほれぼれする良い雰囲気のべっ甲柄セルを使っています。

ブリッジサドルは水牛骨材で作り直してあります。ブリッジサドルはいわゆるロングサドルです。 見た目もかっこ良いのですが、音の効能として1弦が太くしっかりと感じるようになります。 骨の硬さが音の芯に加わる感じです。 音と見た目の良いロングサドルですが、この個体は弱点であるサドルが少し前へ倒れ気味の傾向が出ています。

 


ヘッドロゴは転写シール(デカール)。このギターで表現したい古(いにしえ)の雰囲気を決定付けるのに重要な部分です。
ナット幅は44.5㎜。ブリッジサドル同様に水牛骨材で作り直してあります。


28型なのでボリュートも入っています。ペグは後藤ガットのオープンバックSE780-06M。 ニッケルがかなりくすんでかなり良い風合いの見た目になっています。 ネック材はもちろんホンジュラスマホガニーの1P。

サイド、バック材はインディアンローズ。良い材を使っていますね! センターの飾りも時代背景に合わせてジグザグです。

ポジションマークはアバロンを使っています。 さりげなく品がある感じ、とても良いです!
アディロントップのD28型に憧れのある方、ひょっとしたらこのギターがビビッと来るかも知れませんね!