人前で泣くのが苦手だった。
誰かに涙を見せたくなかった。
自分の弱い所を見せるのが嫌だった。
そうしてるうちに、私は自分の感情を素直に出すことが出来なくなった。
辛い事があった時は、自分の感情に嘘をついて、蓋をして、無理矢理笑った。
そんな時、気づいて声をかけてくれた人がいた。
小「泣いていいんだよ。」
その時、今まで心につかえていた何かがスっとなくなった感じがした。
由依のそんな一言に私は救われたんだよ。
ほんとにありがとう。
情けないけど、だらしないけど、
由依を想う事だけで、毎日キラキラ輝いて見えるんだ。
小「理佐!ちょっと見て!!!」
ベランダのお花に水をやっていた由依が、突然嬉しそうに私を呼んだ。
理「どうしたの??」
小「見てこれ!虹出来た!」
由依の足元に小さな虹が出来ていた。
無邪気に喜ぶ由依がとっても愛おしくて。
こんな幸せな日々がずっと続くようにと心の中で願った。
もう季節はあっという間に冬になっていて、外が暗くなるのもとても早くなった。
時刻は気づけばもう23時を回っていて、寒い寒いなんていいながら、二人でベッドに潜り込んだ。
理「由依はいつも無理するから心配になる。」
ずっと思ってたことをちょっと勇気を出して言ってみた。
小「私は大丈夫だよ。」
やっぱり由依は強がった。
だから心配なんだよ。
ねぇ由依、
さみしい夜を半分、私に預けて欲しい。
私が由依の悲しみ、半分背負いたい。
由依があの時私を助けてくれたみたいに、今度は私が由依の力になりたいの。
大きな夢じゃなくていい。
私たちらしくでいい。
二人で少しずつ、前に進んでいきたい。
いっぱい支え合って、いっぱい笑って、輝く未来、捕まえよう。
理「由依、ずっと一緒にいようね。」
小「もちろん。理佐、絶対離さないでね。」
由依が私の手を握った。
その手をギュッと握り返して、おやすみとキスを落としてから、私は目を閉じた。
一生そばにいるから、一生そばにいて。
一生離れないように、一生懸命に。
きつく結んだ目がほどけないように、
かたくつないだ手を離さないから。