りさぽんのリアパロです!
小林柊矢さんのドライヤーという曲で書きました!
短いです!
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「お願い、乾かして」
「嫌だよ、面倒くさいから」
お風呂から出てきた由依がドライヤーを持って私の前に立っている。
「でもどうせやるまで頼むんでしょ?」
ここ座って、とソファーの下を叩けば、嬉しそうに腰を下ろす。
私は渋々ドライヤーをかけた。
そんなやり取りがほぼ毎日続いて、
いつしか当たり前になっていた。
なのに、
その日々はあっけなく壊れてしまった。
「もう別れよう」
なんであんなこと言ったんだろう。
あの時の自分を消したい。
きっかけは私の小さな嫉妬で、
由依が私のこと嫌になったわけじゃないってのも分かってたはずなのに。
ああ、前に由依と喧嘩した時、茜が言ってたっけな。
手に入れるまでには時間がかかるけど、それが無くなるのは一瞬なんだよって。
時間は戻らない。
もう戻れない。
由依を嫌いな振りをして
由依を嘲笑いたくて
そうしたらきっと忘れられるはずと
そんなこと思っても
由依を嫌いになれなくて
由依に忘れられたくもなくて
なんてわがままなんだろう
だめだね、私のこういうとこ。
ごめんね、由依。
こんな私で、ごめん。
「お願い、乾かして」
その言葉が聞きたいって何度思ったか。
嫌だったはずなのに、
きっと本当は嬉しかったんだ。
由依とひとつになれてる気がして
私を必要としてくれてる気がして
由依の髪を乾かしてる時間が好きだった。
ねえ由依。
由依が録画してたあのドラマ、
今週でもう終わるんだって。
観に来てよ。
消さずに全部撮ってあるから。
家中に残された、由依とのたくさんの思い出に、胸が締め付けられる。
自分の髪を乾かし終わって、由依の髪の匂いを思い出す。
同じシャンプーを使ってたはずなのに、
どこか違う由依の匂い。だいすきだったよ。
ドライヤーを床に乱雑に置いて
届かない言葉を一人呟いた。
「ねぇ、由依に会いたい」
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読んでいただきありがとうございます!
あまりハッピーエンドじゃなくてごめんなさい。
続きも書くかもしれませんが、あまり期待しないでください、、笑笑
そして!かなり久しぶりになってしまいすみません!
これから出来るだけ再開して行こうと思っております🙇♀️🙇♀️
よかったらこれからも読んでくれると嬉しいです!