年末年始くらいから映画を中心とした映像作品をひたすら見漁っているのですが、Netflixやアマプラで配信されているドラマシリーズが面白いなと思うことが多く、中でも意外にも面白くて参ってしまったのがNetflixの「セックス・エデュケーション」だったので報告です。

自分がはまる取っ掛かりとしては劇中の使用曲で、舞台がイギリスなだけあってポスト・パンクみたいな曲が多く、もともとインディ・キッズな自分にとっては少し照れくさいような印象もあったのですが、T. Rex の "Cosmic Dancer" から始まり The Velvet Underground の "Pale Blue Eyes" で終わるシーズン2の3話で完全にツボに入ってしまいました。コロナまみれの満員電車からスマホ横持ちの号泣した中年男性が排出される悲劇が発生してしまいました。

そのほか、Sufjan Stevens の "Mystery of Love" を使うというのにも驚き。「君の名前で僕を呼んで」、これも必見の大傑作ですが公開2017年でその曲は映画のための書き下ろしで、そのシーンを見たら否が応でも「君の名前で僕を呼んで」を思い出さずにはいられなくなるのを見越しての確信犯のはず。というかオマージュかな。それにしても大胆だなと思いました。

 

 

物語そのものというよりプロットが良いというのでしょうか。セックスが毎回お決まりの必殺お色気シーンみたいな扱いではなく、あくまで人との関係性 ( "relationship" この語は劇中で頻出します ) に基づいたものとしてちゃんと捉えようとしてるのもいいです。だからこそ、親との確執、セクハラ、痴漢、異性/同性夫婦間のいざこざやモラハラ問題などなど、結構生々しい社会的イシューが盛りだくさん。でもこういった、ある種の人間関係での諸問題が「性教育」に遠からず近からず関連しながら、全て結びついていく。この作品を作って届けるという作り手の高い意識が随所から強く伝わってくるとともに、そうした問題に対して悩んだり、逃げたり、揉めたり、もがいたりしながら成長していく(当然のように多様な属性を持った)登場人物達に強く胸を打たれます。

 

恋の行方もどうなるんでしょうね。とにかくエリックとメイヴには幸せになってほしい。彼らの泣いている姿を見るのが辛い。

これは登場人物の俳優全員好きになるパターンです。

 

 


 

と、ここまでを2020年3月くらいに書いて下書きに保存したままになっていたので少し追記して、放流してみようかと思い立ちました。

 

時がたち、我らがABEMAでは9月から「17.3 about a sex」という性教育をテーマにしたドラマシリーズが始まっていました。コロナ禍というタイミング的にもまあ良さげな感じがしております。全部は見切れてないのですが、結構シリアスながらもカジュアルに描けているのが楽しい(明らかな広告が台詞で出てくるのにずっこけてしまったり、まだインターネットで多少バズった逸話の再現映像化に留まってる感が否めなかったりはしました)。言葉を多少選んだ表現にはなりますが、頑張ってほしい。もっと話題になっていいとも思います。

 

https://abema.tv/video/title/90-1434

 

 

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もいっこ追記、「セックス・エデュケーション」のS3の制作が再開されてました。いやー楽しみ。