研修のアンケートというものはいやなものです。

「いい研修だったぁ」と講師と研修屋が一緒に納得して、36人中35人が「とてもよかった」に☑しても、1人がネガティブな書きこみをすると、それに引きづられて、研修の印象が悪くなります。

クライアント担当者もわかっている人はわかってくれますが、報告を上司に上げるにはどうしても、アンケート結果と自由記述を書いておかないといけません。

そこに一行、ネガティブ書きこみがあると、ややこしいことになります。

 

そんな悩みをもっているとき『アンケートの作り方・活かし方』大久保一彦著・PHPビジネス新書を読んでいたら、素晴らしいアンケート文作成のコツに出会いました。

 

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アンケートでお客様の印象をある程度コントロールする方法があります。
このアンケートの狙いは、嫌なことを忘れてもらうこと、いい印象を引っ張り出すことの二つです。

この狙いのアンケートについてお話しする前に、アンケーートの最後によく見かける質問を見てみましょう。それが、この問いかけです。
 「お気づきの点がございましたら、ご記入ください」

このような質問をすると、良かった点よりも悪かった点が書かれることが多くなります。
日本人は「悪かったこと」「できなかったこと」を書くほうが得意で、良い点をほめることが苦手な人が多いからです。

指摘された点を改善し、お客様の要望に応えて喜んでもらおうという姿勢が会社や店にあるのなら、このような質問は有効です。

しかし、「人がいないから」「それはその店の客層だけの話だ」「経費がかかる」といった都合で、アンケートに書かれた意見が黙殺されるケースも少なくありません。

そうなると、お客様に「なんだ、アンケーートをやっておきながら何も変わらないなら、こんなの書いてもムダじやないか!」と思われ、再購入が見込めなくなるリスクも認知ゅうあります。

ここで「お気づきの点がございましたら、ご記入ください」に変わる、お勧めの質問があります。

それが、次の問いかけです。

「お客様の喜びの声を聞くと、私たちは励みになります。喜びの声をご記入ください」

この質問に変えると、問題点や不満に対する書き込みが激減します。
そして、従業員に対する感謝の言葉や、商品(サービス)に対する好意的な意見などが記入されやすくなります。

また、書くことで鮮明に記憶される効果もあります。
もし、商品サービスに何か問題があったとしても、ちょっとしたことであればすぐ記憶から消えるものです。

しかし、書いてしまうとしっかり記憶に残ります。
「たいしたことでもないのに、書いているうちにムカムカしてきた」という経験はないでしょうか? 

それは、書くことで記憶がより鮮明になったせいなのです。

反対に、ちょっとしたいい印象でも、書くことでお客様の記憶に残すことができます。

「お客様の喜びの声を問くと、私たちは励みになります。喜びの声をご記入ください」という質問は、

お客様のいい印象を引っ張り出し、ちょっとした嫌なことを忘れてもらう最適な言葉です。

もちろん、悪い点をそのままにしていいということではありませんが、嫌な印象を忘れてもらうことも、お客様との関係を築くためには大切なことなのです。

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これは早速、使わせていただいています!

 



 

アンケートの作り方・活かし方 (PHPビジネス新書)
アンケートの作り方・活かし方 (PHPビジネス新書)