広告の話 | HardReggaeCafe@Ameblo.jp

広告の話

読書のアキなんで、いろいろ面白い本を物色しているのだが
この前に読んだ「あたらしい教科書〈6〉広告」というのは
なかなか勉強になった。

天野 祐吉
あたらしい教科書〈6〉広告

というのもインターネット業界、しかも広告を生業としている
にも拘らず意外と無知だなと思っていたのでこれを機会に
学んでおくかとなったのだ。


勉強って考えると学生のころはあれほど嫌だったのに
今になるとやりたくなるというのは不思議なものである。

高校の授業で先生が「無知の喜び」なんていうと、
教室中がクスクス笑っていたのが懐かしい。


ということでまずは広告の歴史から。


イエスキリストに始まってNIKEまで広告の様々な歴史を
知ることができた。そこには単なる歴史というより手法の進化や
求人広告、宗教広告、観光キャンペーンなど様々なジャンル
まで網羅されている。


次に広告の制作過程について。これはCMが題材になっている。

インターネットの世界での流れはある程度理解しているつもりだ。

クライアントの要望に応じてスケジュールもクリエイティブも

仕掛けも左右される。幸運なことに自分はムチャクチャ

振り回された経験がないなあ(笑
(あ、でも東○のハバ○ロのときはプログラムまで作っていて
キャンセルになったこともあったな。ありゃショックだった)


てな感じでおおよそ広告業界人なら誰でも知っているであろう
ことをこの一冊から習得できたのだが、この本の価値は
広告業界の著名人が語るそれぞれの仕事論にもあると思う。


佐藤可士和とか中島信也とかなるほどと思わせるヒントあり、

で非常に興味深かった。


そして私が最も感銘を受けたのが、プロローグで天野祐吉が語る
「広告は現代の福根である」
というフレーズである。


要約すると、ことばには事実を伝える部分と感情を伝える部分があり
広告は主に後者である、と。そのため人々に暗示をかけて欲しくも
ないものを買わせていると思われがちだ。確かにそういう側面もあるが
これこそが人と人とをつなぐ「共感の土壌」を作るのである。


そういう意味で、優れた広告はコミュニケーションのいいお手本なんだ
といっている。


例えば「君の事を思い続けて夜も眠れない」という恋の台詞も
ウソといってしまえばそうに違いないが、でも当人の気持ちに
してみれば嘘偽りのない本当の気持ちといえるのである。


そういう文脈だった。これが自分の仕事にどれだけ勇気を与えただろうか。


メディアとして時に広告する価値の見出せないものもあるだろう。
しかし、それでもその商品の持っている価値を、必要としている誰かに
結び付けなくてはならない。そこにはウシロメタサはカケラも存在しない。


広告の仕事が楽しく思えてきたという点でこの本は私にとっては良書でした。