こんにちは。
今回は英語の勉強法です。
何度も書いたことですが、これはあくまで一受験生の成功体験を書いたもの。自分の勉強法は自分で確立するのがベストです。そのための参考にしてください。
ぼくは現役時代早稲田の法学部を第一志望にしていて、当時は「あの超長文を解くには速読力が大事だ!」と思って、とにかく秋あたりから音読をしまくってました。おかげで何とかそれなりに早く読む力はついたものの、現役時代は早稲田法どころか早稲田全滅(慶應は受けていない)。
そのとき足りなかったものは何か。浪人して、早慶合格というラインまで達して思ったのは、それは明らかに精読力でした。つまり文章を精確に読む力です。ぼくは現役時代に単語、熟語、文法、読解、英作文を、もちろん程度としては浪人時にかなり劣りますが、一応すべてやっていました。
では、精読力を養うために足りていなかったものは何か。それは英文解釈です。ぼくは全くこれをやっていませんでした。今考えればかなりのバカです。浪人時には予備校、参考書で、コレを徹底的に鍛え、音読をして、結果的に以前よりは格段に正確に早く読めるようになりました。
まとめるとこうだ、とぼくは思っています。
語彙力・文法力・構造把握力・意味解釈力=精読力
この精読力を徹底的に磨いて、その数をこなすことで自然と早く読めるようになります。つまり、精読のスピードが上がったものが速読です。精読しない速読など、ただアルファベットを「見ている」だけに近いです。意味も正確に理解できない読解力のまま、速読にとびついても結果はたかがしれています。特に注意してほしいのが、センターで9割とか普通にとれて時間も余るけど、早慶の問題になるとなかなか合格点が取れないという人。そういう人は確実に精読力が足りていないでしょう。早慶の文章を、センターのようにノンストップで読んで理解して解くにはかなりの実力が必要です。センター英語9割は1つの指標とはいえますが、早慶が取れなければ全く意味がありません。決して慢心しないように。
では、ここから具体的な勉強法を紹介していきたいと思います。
まずは精読力の強化から。ここでは上記の4つのうち、構造把握力と意味解釈力について書きます。
語彙、文法については別の記事で書きますのでお待ちを……。
①構造把握力
これはやはり参考書に頼るしかないです。構造把握の強化に適した素材は普段の長文読解の英文ではなかなか手に入れづらいです。ふつうは、英文解釈の参考書に載っている英文はなかなか難しいものが多いです。早慶の長文読解でも、なかなかこのレベルの英文は出てこないかもしれません。しかし、その難しい英文に真剣に向き合って、完全に理解する過程を経ることで、ほとんどの長文の英文をかなりのスピードで理解できるようになります。
これからおすすめの参考書を紹介しますが、これらはある程度の語彙力と文法力を養ってからでないと苦労するかもしれません。ぼくは受験のプロでも参考書マニアでも無いので、あらゆるレベルの受験生に対応した参考書は紹介することは出来ませんが、その点はご了承下さい。
・基礎英文問題精講(旺文社)
レベル★★★☆☆
「基礎」と謳っておきながらなかなか手応えのある良問がそろっています。多少英語に自信がある受験生でも構文把握力だけでなく、文法力を確認するのにも役立ちます。問題数もかなり豊富なので、これを一冊こなせばかなりの自信がつくと思います。さすが旺文社という感じ。
進め方は、
Ⅰできる限り自力で問題を解く
Ⅱ分からないところは調べてもう一度問題を解く
Ⅲ解説を読む
Ⅳ不足していた語彙、文法をチェックする。
Ⅴ英文の意味内容がスラスラ入ってくるまで黙読・音読する。
Ⅵ日にちを空けてもう一度問題を解く
Ⅶ定期的に黙読・音読する
でいいとおもいます。ぼくは基本的に英文解釈の本はこの手順でやりました。あと、私立志望であろうと必ず和訳して下さい。ただ読むだけだと、絶対に自分の理解の取りこぼしを見落とします。なぜ日本トップの東京大学、京都大学、一橋大学が受験生に和訳を課すのか。そのことをよく考えてみて下さい。とにかく完全に理解するまで徹底的にやり込むのが大事。
・ポレポレ英文読解50(代々木ライブラリー)
レベル★★★★☆
受験界の中ではいわずとしれた名著「ポレポレ」です。ぼくは現役時早稲田全落ちしてから予備校に入るまでの期間にこれを2周ほど終わらせました。今考えれば、この1冊がぼくの浪人生活のスタートでした。これをやったことで、構文把握力がかなり向上し、予備校のクラス分けテストで高得点をだすことができました。
一見気の抜けるような題名からは想像もつかないような難問も数多く収録されていますが、50問という少ない問題数と簡潔な解説のためかなり進めやすいです。ただ、本当にかなり簡潔に書いてあるため、初心者にはオススメしません。説明を読んで本当に納得できれば、それだけでなかなかの実力があると思っても良いのではないでしょうか。
・難関大突破英文読解問題精選(学研)
レベル★★★★☆
この本は英文読解のルールを教えてくれるものです。とくに、和訳のルールの項は国公立大受験生にはかなりオススメです。ぼく自身この本を通して、かなり和訳が上達しました。
もちろん、早慶志望者にも十分対応しています。というかこの本の著者は河合塾の早慶クラスを担当している講師なので、そうでないはずがありません。
英文のレベルはポレポレと同じくらい。ただ解説がかなり詳しい。この解説をすべて自分で出来るまで何度も繰り返せば、早慶の英語もこわくなくなると思います。
あと、この本には英文の構造をカッコなどで示した解説があります。このように英文構造を明確にする際に、自分なりのカッコや印の付け方を持っておくと和訳の時の助けになると思うので、参考にしてみると良いと思います。もちろん、普段の読解の時にカッコつけながら読むなんてことはしないでください(笑)
・標準英文問題精講(旺文社)
レベル★★★★★
かなり古い。しかも何が標準なのか分からないくらい難しい問題も多い。正直、メチャクチャ英語好きで英語オタクで英語極めたい時間ある人にしかオススメしません。要は、別にやらなくてもいいです(笑)ただ、英文の質・量・内容は上記の参考書を含めてもトップクラス。有名な思想家や作家の文章も多く収録されていて、かなり味わい深い。形式は、「基礎英文問題精講」(旺文社)とほぼ同じです。
何度も言うようですが、これは必ずしもやらなくて良いです。実際ぼくもやりきることが出来ずに挫折しました(笑)暇な時間に読む程度に買ってみるのも良いかもしれません。あくまで優先するべきは上記の3つで。
②意味解釈力
これはもちろん構造把握力と共に高めてほしいのですが、これは音読だけでは難しいということを言いたい。音読を繰り返すと、英文の構造は鮮明に浮かび上がってくるようになりますが、声を出す、という性質上頭の中で考えることをおろそかにしてただ読むということになりがちです。日本語を読むならともかく、外国語を読んでいるわけなので、ある程度は読むだけの行為の方にも集中を傾けてしまうからです。読んだだけで満足しがちなのです。
なので、音読をすると同時に黙読を重視すべきだと思います。第一、試験場では黙読しなければならないので、音読だけやっていたのでは厳しいものがあります。黙読なら声に出して読むという行為に集中を傾けなくていいので、自然と意味をとろうとしますよね。絶対にやりましょう。
ではつづく