つづきです。

〈⑥インタビュー〉
慶應法の代名詞インタビュー問題です。でも、もう出ないんじゃないかなーとか思ったりもしてます。最近の慶應法は年々志願者数も減ってきていると同時に、この問題が無くなることによってさらに易しくなったように感じます。
でも対策はしましょう。復活の可能性は決してゼロではない。
この問題はインタビュアーの質問と回答者の回答を組み合わせる問題です。前者が質問通りの順番に並んでいて、後者がばらばらに散らばっています。ここ15年では、1年だけ逆の年がありましたが、もしそうきても質問に回答を当てはめる形で解きましょう。
まずこの問題を解くときに重要な意識。先の会話問題の項でも書きましたが、やはり「我慢」です。たとえ、コレだ!と思っても、絶対に、早計に決定してはいけません。あくまでも候補にとどめておくこと。選択肢一括提示型のこわさは、決まれば選択肢が絞られて行く一方で、1個間違えれば確実にもう1個間違えてしまうということ。すべてを決定するのは全部がかみ合ってからでいいのです。この問題に関しては、あいまいに決めたまま先に進んで、後で見直そうと思っても、ほぼムリです。1ターン目で撃破しましょう。その代わりその1ターン目をかなり慎重にやらないといけない。だが時間のかけ過ぎも禁物なので、ある種の勇気も必要。この均衡をとるのはなかなか難しいです。過去問演習で鍛えましょう。
次は実践的な話。つまり問題を解く手順です。
①リード文で、インタビュアーとインタビュウィー(インタビューを受ける人)の関係を把握する。特にインタビュイーの方は気をつけて下さい。リード文には、必ず「rock singer」とか「commander」とかインタビュウィーが何者なのかが示してあります。コレを読まないと何のインタビューなのか把握するのにムダな時間がかかります。
②質問者の質問を全て読んでいく。その際できるだけ内容を記憶するようにしてください。キーワードっぽい語句に下線などの印を付けると良いかもしれません。それともう一つ重要なのが、質問者の質問のかたち。疑問詞を使った疑問文なのか、Yes・No型で応えられる疑問文なのか、それとも平叙文なのか。これをしっかり分けて下さい。付加疑問文は2番目に分類されます。僕は疑問詞には○印をつけて、Do youなどに波下線を引いてました。
③②を見通した結果、速攻で見つけられそうな回答を回答の選択肢に探しに行く。最初や最後の質問は、出だしの挨拶やお別れのあいさつがくる場合があるので、非常に探しやすいです。さきにつぶしときましょう。とはいえ、これがある年は少ないので、なければ④にとんで下さい。
④回答の最初の部分で、YesやNo、certainlyなど、YesNo型が見られる場合は印をつけましょう。②でYesNo型の質問につけた印と同じにすると分かりやすいです。
⑤④で印を付けたやつと②で同じ印を付けたやつとを決めていく。とはいえ実際そこまでうまくいきません。それっぽい回答があったら、質問の横にその番号をメモ的に書き加えておきましょう。1つの回答が2つ以上の質問に当てはまりそうな場合は、その全ての質問にメモしてくこと。あくまでも候補なので、この段階で変に絞り込むのは危険です。
⑥回答を1つ1つ丁寧によんで、②の記憶を頼りに当てはまりそうな質問を決めていく。ここからはもう慣れです。テクニックはありません。インタビュー問題は数こなしてください。
とにかく、さっさと決めてしまわないこと。

〈⑦語義定義〉
これは本当にテクニックが活きます。この問題のために英検一級の単語帳やったりする人もいますが、ぼくからすればそれはナンセンスすぎます。それやるくらいだったら歴史つめた方が良いと思います。まあ浪人生とか時間ある人なら、読解の時もたまに役立つ(らしい)ので意味は無いとはいいませんが、現役生ならまず不可能でしょう。負担デカすぎます。そんなことをわざわざやる必要はない。しかも、それやっても知らない単語ふつうに出て来るらしい(笑)僕は英検一級の単語帳なんてやってませんが、過去問の語義定義問題はミスったことないです。だいたい5~10分くらいで終わります。なにも僕がすごいのではなくて、受かるヤツは皆これくらい楽にやってると思います。その方法を伝授します。こういうのも、本当は自分で過去問研究して編み出してほしいというのが本音なのですが、まあいいでしょう(笑)
ぼくの解き方をかなり具体的に書きます。


①問題になっている単語の下線部の番号を余白に縦に書く。31~40ならその数字を縦に並べて下さい。

②それらの単語の品詞を確定します。文構造や語尾から決めていって下さい。その決めた品詞をそれぞれ①の数字の横に書いていきます。「名」とか「副」とか書くのは面倒なので、「n」「v」「adj」「adv」とか書くと楽です。過去分詞とか現在分詞もありますが、選択肢で動詞として扱われる場合と形容詞として扱われる場合があるので、「done」「doing」と書いておくと良いかもしれません。

③つぎに選択肢の品詞を確定していきます。
[動詞]
to do~
[名詞]
名詞~
(同格の)that+SV~
[形容詞]
形容詞~
of +名詞~
doing~
done~
[副詞]
前置詞~(特にin a way that SV~)
副詞~

英英辞典の説明文と同じですね。これらにそって選択肢の横に、先ほどと同じ要領で品詞を書いていきます。

④ここから解答に入ります。まず知っている単語があればさきに決めてしまって下さい。その際、②③の作業で品詞は決まっているので、品詞が一致する選択肢だけ見ていきます。
⑤つぎに1番数が少ない品詞から確定していきます。ここからは推測が必要になります。多少前後を見れば分かるはず。それでも判らなければ多少本格的に本文読んでも良いと思います。テクニックがあるとはいえ、そもそも慶應法の意図は文脈から単語推測しろってことですから、ある意味これが王道なので焦る必要はないです(笑)冷静に推測しましょう。知らなくてもいい。品詞は決まっているので効率よくいくこと。知らない単語でも絶対に解けるようになっているので、安心して丁寧にいきましょう。


もちろん最初は時間かかります。
でもこれをルーティーン化していけばかなりスピードアップしていけます。ただ、過去問が少ないのが難点です。なので、普段から長文を読むときに、知らない単語の語句類推をする訓練をしてください。日本語でも知らない語彙は前後から類推します。それと同じです。変に単語に執着してしまう人は、いっそそこを空所だと思ってみるといいです。ある意味、語義定義問題と空所補充問題は、文脈から類推するという意味では同じです。
あと、これは別にやらなくても良いんですが、やはり接頭辞、語幹、接尾辞の知識を持ってると有利になります。dis-はマイナスの意味になるとか、そういうやつです。おすすめの参考書は、『システム英単語プレミアム』です。CD付なので若干高いですが、かなりの良書です。接頭辞とかの本は、本格的になりすぎて使いづらいものが多いですが、これは受験生でも充分使いこなせる内容となっています。もちろん大学受験後も重宝できると思います。これは単語を覚えるために使うというよりは、覚えにくい単語があったら、シス単プレミアムを辞書みたいに引いて、その接頭辞などの意味を調べたり、同じ接頭辞の単語に目を通したりすると、定着しやすいです。



第三弾以上。