皆さま、こんにちは!puffです。
いかがお過ごしでしょうか?
今年は花粉の被害がひどいようで、私のメガネも曇りがちに。黄色い微粒子がこってりと張り付く日々。
しかしながら、なんだかんだと言いながらも着実に春が芽吹いています。2月の下旬から3月の上旬にかけて、ほっこり、慎ましやかな梅が開花しております。
今月、19日までが梅祭りで、私は超ご近所ゆえに、祭りが終わった後の儚い散り梅でもみようかと、家族と話をしております。
これはちょうど、娘たちと駅に行った際、(梅どころのわが町は至るところに梅が)パチリとしました。
枝ぶりも、花付きも申し分ないと思う。夏にはたわわな梅が実ることでしょう…
さてさて。
puffは映画ジャンルにお邪魔して、時折り、映画を見ては文字文字しておりますが…、つい最近観た映画の中でダントツに良かったのが—— ミヒャエル.ハネケの『白いリボン』こちらはHuluで視聴。
あらすじなどはこちらから↑
真実を、裏側の、そのまた裏におき、見る側に探させ想像を引きだす、というような、ぼんやりしていたらガツンと頭を殴られるかのような…、衝撃と痛みとを伴う内容でした。
子どもが重要な役割を果たし続けて終始しますが、子供の目線で見るか、大人として見るか、突きつけられる感じに。
言葉の端々、行為の数々に、非常に苦しくなるのも辛くて。大人と子供の途方もない乖離を見せつけられた約二時間、どことなく物足りなさを感じながら…、そうして大人は老い、子供はやがて大人になっていくのだと、この何万遍と繰り返されることわりが、ズーンと胸に落ちてくる。
真実は決して一つではなく、あらゆる顔を覗かせる。悪意は善意に、善意は悪意に… 実に鏡のようで恐いのだ。
既に、子供のような純粋さを(これっぽっちも)持ち合わせていないpuffは、これを映像化したミヒャエル.ハネケ監督に大声援を送るのでした。
モノトーンなのも良かった。美しさと恐怖。この表裏一体!!刺されても数秒間、気がつかず、気づいた時には致命傷—— これを見てハネケファンになってくれたら😃嬉しい。一緒に語らいましょう。
⚫︎『雪国 -SNOW COUNTRY-』(NHK BSプレミアム/BS4K)
残念無念。録画はできず。
こぼれ話しで恐縮ですが、私の偏愛する『浮世の画家』と同じ制作チームでやんす。
川端康成氏、没後50年記念ということで、『雪国』がドラマ化されました。
主演は高橋一生氏。この頃の彼は、とっても艶っぽいですよね。そして、全く下品じゃない。
だから嬉しい。NHKは大好き。つい最近、NHK +をダウンロードしたので、毎朝、チェックが欠かせません。
ただ…、残念なのはこのプラスの画面上、録画ができないこと。映像を永久的に見たければ、NHKオンデマンドに加入するのが条件に。
今夏にはそうしようかな…。
⚫︎雪国 川端康成
ドラマを見たら、次は読書。皆さんも是非。
『国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。夜の底が白くなった。』
この出だしのリズム。春に読んでも、夏に読んでも、雪の気配が強く迫ってくるかのような…
圧巻ですね。トンネルと雪。夜の底—— 今から始まる何ものかに、怯えと期待を秘めながら、文筆家の島村は、芸者駒子に会いにゆく。
『結局この指だけが、これから会いに行く女をなまなましく覚えている…』
という、大人でしか分からぬ愛の機微。
これをしみじみと眺め、撓め、懐かしみながら、汽車の窓に映る、もう一人の女の横顔に、島村は妙に惹かれるのだった。
北国は豪雪で、都会から来た島村のどんな感情も飲み込んでしまうかのように鮮烈で…、自然はただ白く、踏み躙ってもその上から降り積り、また白く、覆い尽くしてしまうのだった。
そんな島村に強く心を寄せる『駒子』と、電車の中で出会った『葉子』、葉子が切ないほど必死に看病する男、『行男』と、都会からやって来た島村との、4人が織りなす物語。
特に、この駒子、葉子、行男の恋愛事情は、どこにであるような悲劇。つい、部外者として島村は彼らを見続け、関わり続けてしまう。東京での生活に疲れて逃げ出してきた男であるのに。なんの役にもたたず、意見を求められても充分には言えず…、何故か妙に、徒労感は増すばかり。
しかし、島村は心のどこかで駒子の訪れを欲しつつ、火のような熱さに触れてしまえば急に恐ろしくなって怖じけてしまう。東京には熱意を必要としない仕事があって、家族もあり、親の遺した財産もあり…、どうしてこんなにも、北の辺境、雪国に惹かれるのだろう。何故、この駒子に惹かれてしまうのか。
島村の口癖は『徒労だな』これですが、実際、本当に疲弊していれば、北国まで足を伸ばさずとも良く、近場でなんとかなりそうなものである。
島村ぐらいの大人であれば、そこのあたりは全て見透せているはず。
虚しさは永久に埋まらない。まして、自身で埋められぬものは誰によっても埋まらない。
そんなものですよね…、まぁね。そうですよね。
度々読む雪国ですが、今回は読後の感触が以前と全く違いました。特に島村への感情移入が強くて…、私も歳をとったんだなぁと思ったしだいです。今まで知ることがなかった感情に、気がついたのかもしれないし。
いやー。読書はやめられない。正に、これこそが埋められない何かを埋める行為なのだと再実感した『雪国』でした。
2023 3.19



