皆さん、こんにちは。
お休みの一日、私は早朝四時半に目覚めてしまった。
午前は家事と読書。午後はちょっとした用事でブラブラと。大した用事ではないのだけれど、今しておかなくちゃ、あっという間に年末が来る…。
なんて事はない、趣味に使う資料が古ぼけてきたので新たにコピーをと、図書館に頼んでいたのだった。早々とご連絡を頂き、取りに行く。有り難いかぎり。
その足で文房具屋さんに…。いつもの場所で、ファイル一つを長々と選ぶ。
『色がなぁ…』
気分屋の私が悩む部分はこんなもの。機能性とかは後からついてきて…、まぁ、こういった無計画な輩がいた方が、世の中のお金は回るというもの。
『そうだ。鉛筆…』
何かを書き込む時、ボールペンではなく、修正のきく鉛筆が最良であるのは、私がせっかちで漢字知らずのせいである。
ふと…、60円の鉛筆と140円の鉛筆の価格の差に悩むのだった。
高いの安いの、そういう問題ではない…、どこがどう違うのかと聞いてみたくなったのだ。いつもは挨拶程度で無駄なお喋りばかりなんだけど、今日はちょっと違う。専門家に専門的な質問を投げてみたのだ。
『要するにね。鉛筆の芯も違えば、材木の種類も違う。あとは書いて…、滑らかさを追求してるからね、味わいが断然違うよ』
(味わい…)
なんて又、いい表現をするんだろう。
こう聞いて早速、三菱の2Bを買ってみた。
いつも当然のようにそばにある鉛筆を、わざわざ購入する気持ちは何故か、ちょっとした高ぶりに繋がって行く。そしておまけのチョコまで貰い(キットカットだった)ささやかな幸福に浸る私…。
そこからスーパーに流れる。卵を2パック買う。贔屓のスーパーは木曜日に卵を50円引いてくれる。会員のみの特権だが、もう10月半ばだし煮卵が食べたくなってくる。
このスーパーの凄いところは、個数制限が全く無い事。だので家に2パックあるのを思い浮かべながら、思い切って2パック買う。
『1072円です』
財布には小銭が無かった。お札を二枚出す。
スーパーの片隅ではなにやらザワザワ。御年寄が具合が悪くなり救急車を呼ぶという大ごとが起こる。
私はスマホを片手に人集りに吸い込まれたが、もう既に救急車を呼んだと、誰かが言う。
木曜日の昼日中、街の片隅で起こる全てが、なんだか明暗を分かつようでしのびない。
『今日退院したばっかりなんだってさ…』
知らない人、三人と口を利く。
処置が早かった為に、なんとなく顔色が戻ってきたようだ。車両に乗るまでを確認し、ちょっと一安心。だけど…、このおじいちゃん、どこかで見たことがあるなぁ…、多分御近所の方だろうと思うのだが…。

バス待ちしても気になる。だが、停留所では高校生の一団がはしゃいでおり、煩くって気が散った。テスト終わりらしい。そういえば、下の娘もそうだった。
上手く、目的のバスに乗れた。そして乗った早々、これ又ご老人が二人…、なにやら話し込んでいる。
お二人はきっと…、コソコソしているつもりなんだろうけれど、年寄りは声が大きい。聞かないでいようと心掛けても、聞こえてしまうのは仕方がなかった。
『……電話は、寝たふりしちゃえよ』『あの機械入れると10万ぐらいするんだって』
こんな話題から、私は勝手にオレオレ詐欺を妄想した。
するとなにやら視線を感じてしまう。ちょうど、お二人と目が合った。すると私をジッと見て、
『……娘に聞いてみようかな』こう呟く。
私を見て、長年逢っていない娘を思い出したのか、なんだか申し訳ない気持ちがひたたり、そのまま軽い会釈のみでバスを降りてしまった。


秋の日差しはこんなに暖かいのに、意外にも風が冷たい。
高らかに澄み渡る、呆れ返るほどに澄明な秋の空。雲ひとつなくて、あるのは緩んだ電線に寸断された秋の空、そして私。
(まるで十字だなぁ…、)
十字架という意味で電線を見上げるとは、かなりシュールである。気が弱いからすぐ…、こうなるのも頷ける。
(なになに?)
私の罪って一体なんだ?無精?……天邪鬼?
(猜疑心だな)
にやにやと笑う私。
考えれば切りがなく、あっという間に…、時間ばかりが過ぎてしまった。



2018.10.18