こんにちは。puffです。
毎日猛暑ですね…、それにしても、気候の崩れが目立つ今日この頃、悲しい限りです。
豪雨に地震、竜巻…、なんとなく、秋に近づくにつれ、天災に怯えてしまうという。
真夏を通り越して秋になりそうな予感。となると、9月はどうなるのかしら……、

とまぁ、普段の忙しくて、みみっちく狭隘な世界観に生きる私。脳内にこそ、夢幻の涯て無き小宇宙を持つpuffですが、リアルでは、海に行きたいなぁ、旅行がしたいなぁ…、と、”旅行欲”が芽生えてきたという。
(今までは旅行に行きたいとは思わず、見知らぬ土地へと心が飛んだこともなかったのですが。)

実は海が大好き。
puffの実家は海に近いですし、母方の生家はさらに、より海に近い。
昔は夏休みといえば海水浴、浮き輪を持って日がな一日、遊んでいたのですけれど……。
バカンスは海がいいなぁ。
パラソルとビーチチェアを持ち込んで、檸檬水を飲みながら日がな一日、海辺でのんびり昼寝したい。人気のない海の穴場は知ってるんだし、昼間は自堕落に惰眠を貪り、夜は波の音を相手に読書と映画……、うわぁ、贅沢。
なんにもしない、数週間があったらいいですねぇ……、いつか必ず、そんな贅沢な時間が得られますように。

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美神の化身、少年タジオ。
少年美という、期間限定の美しさを貴方に……

そうした”旅行欲”を掻き立てた映画、”ベニスに死す”は、巨匠、ルキノ.ウ”ィスコンティ監督の代表作です。原作は”ベニスに死す”(トーマス.マン作)ですが、老人と少年、という副題は私が身勝手につけました。

原作では、(原作も読んでますが、新潮社の高橋義孝先生の訳が私には合うみたいです。まだ未読ですが、少しずつ、愉しみながら読んでます。)
老境にさしかかった作曲家アッシェンバッハは静養のためにベニスに訪れます。
そこでポートランドの貴族、少年タジオに出会います。

既に枯渇した自身の才能への不安が襲う日々。
彼はタジオに出会った故に、冷めた欲望がしめやかに湧き出すのを実感します。しかし……、それを作曲に活かすことなく、ただただタジオの完璧な少年美に酔いしれ、彼の影を求めベニスを徘徊します。
タジオの姿を追い求める老人は、若さへの憧憬と美への追求を余儀なくしますが、この追求が彼の命を蝕む結果に。
というか、ベニスという街は、観光で成り立つ街。豪奢と腐敗が光と陰のように両極に対峙する街であります。
1911年のヨーロッパは享楽的で貧富の差が激しい、そしてベニスは高級保養地として有名で、高級ホテルは素晴らしく全部がゴージャス。
しかし街は一変して穢らわしい。伝染病が蔓延する汚い町並みであります。

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おもむろにピアノを弾くシーンがありましたが、裏話では、好きな曲を弾け、との監督の指示があったそう……、すると彼は”エリーゼのために”を弾いた。ぽろろん。


美しい海岸と白い砂地と、そこにはギリシャ彫刻さながらの少年タジオの裸体……、作曲家の老人が壮年であったら、どんな物語が紡がれるだろうか。
老人は少年タジオの影を追う亡霊です……、彼にとってタジオは”命”そのものなのかもしれません。

若い時には感じることのない終末への不安……、若かりし日、湧き出るように溢れた欲情も才能も、何故か淡々と薄まる気がしてならない。
主人公は身体も精神も病んでいるので余計でしょう、美しいタジオの幻影を見つめながら、何かを見出そうとする、触れたいが触れられぬ、しかし拝跪することは出来る。
老人は人知れずタジオに賛美を送り続ける…。

そして息絶える老人……、少年タジオとは死神なのか天使なのか、そういったmotifにも変換できるという……、かなり私的な見解ではありますが、タジオは文句無しに美しい。仕方ないよね。

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ヴィスコンティ監督の細かい指示を受けるビョルン.アンドレセン君。


触れるのも畏れ多いほどの美少年、ビョルン.アンドレセン君。ヴィスコンティ監督のお眼鏡に叶った少年はタジオ役に大抜擢。
ヴィスコンティ監督はタジオのイメージを追い求め、ヨーロッパ中を彷徨ったといいます。
まさに”ベニスに死す”を体現するかのような、”タジオを求めて”の旅……、これはフィルムが残っているそうです。(欲しい!)
ヴィスコンティ監督は、バイセクシャルである事を公言しており、ビョルン.アンドレセンをどう思ったかしら。アラン.ドロンとも関係があったらしいし、主役の老作曲家、アッシェンバッハ役のダーク.ボガートも謎の多い人物でありまして……(愛の嵐ではナチの残党役)ヴィスコンティのお気に入りが勢ぞろい、こう考えるとにやけてしまいます。

芸術という美神に魅入られ愛された人、ヴィスコンティ監督はイタリア貴族の末裔です。
様々なエピソードは聞けばなるほどなと、うっとり、頷いてしまいました。

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大人の映画です。退屈だと思う人もいるかもしれない……、それはきっとあなたが若いからだと私は思う。

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2017.7.16