今日は夏至。1年で一番昼間の長い日です。

 

冬至に比べると夏至の方はあんまり昼間の長さを実感できない印象があります。この時期は梅雨の真ん中であることが多く、長い一日を実感できないことが一因かもしれません。

 

そんな夏至を今年は梅雨入り前に迎えました。さあ長い一日をと思っていたら、昼前にニュースが流れ、近畿、東海、関東甲信越が今日梅雨入りしたようだとか。やっぱり一年で一番長い昼間を実感することはできず、ちょっぴり残念。平年より早かった昨年からは、かなり遅い梅雨入りですが、とにかく今年の梅雨は始まりました。

 

気候変動というと、暑い夏、平均気温の上昇、暖かくなった冬を語ることが多いのですが、個人的には季節のタイミングのずれも気になっていました。四季がはっきりしている日本と言われますが、農業、とりわけ稲作は四季の移ろいにぴったりと合わせたシステムだと思うからです。冬の雪解けに合わせて、豊富になった水を利用して苗を準備し、梅雨入り前の晴れの季節を利用して田植え。田植えが終わったタイミングで梅雨に入り、水が一番必要な時に雨が自然に水やりしてくれます。梅雨が明けて豊富な日光を浴びて稲は成長し、盆過ぎの中干で一気に稲はぐんぐん伸び、花が咲いて果実である穂にでんぷんがたっぷり蓄積。穂が垂れて、秋晴れの下で稲刈り。

 

稲作の活動が一年の気温、降雨のサイクルにぴったり合致しているので、少しでもそのサイクルがずれると凶作になったりして、一年の季節のサイクルに合わせた実に微妙な仕組みだと思うのです。そんなことを思って季節の移り変わりの変化を20年近く前に調べてみたこともありました。

 

しかし、そもそも米の消費量が減り、産業としてのコメ生産、農業システム自体も変化してしまい、豊作とか凶作とか意識する人も少ない気がします。気候変動によるコメ生産への影響よりも、コメ生産に関わる農家数の変化、米を食べる側の人間の食生活の変化、消費する人間の数といった人間の変化の方が大きいということでしょう。

 

そんなことを梅雨に入った短い夏至の夜に思うのでした。