新しい主治医は“骨髄線維症の事はほとんど知らないのだなあ”とは感じていた。でもこの病気の希少さを考えれば仕方がないと思って、自分で色々と調べながら、自分が納得できるようにやってきた。
 彼は血液内科医長である。一般企業でいえば主任程度だろうか。骨髄移植が専門のようで、初対面でいきなり『骨髄移植しませんか』と聞かれて驚いた。患者にとって死ぬこともあり得るのに、現在の病状や治療の進歩などの説明が全くなく唐突に骨髄移植の話である。拒否すると、その後は全く骨髄移植のことに触れなかったのに最近(半年ぐらいして)、年齢的にも骨髄移植はしない方が良いですねと言いだした。

 確かに完治させるには骨髄移植しかない。でも、70歳近い僕が移植にチャレンジしてどの程度の確率で生きていられるのか、僕にもある程度の知識はある。お腹の張りとか疲労感に悩まされつつも、頻繁に昼寝をしたり黒ニンニクを試したりしながら仕事(自営でほとんどが事務所内での作業)を続けることが出来ている。小康状態を維持できていると思っている。僕の詳しい体の状態や、時系列の変化からみた今後の見通しなどの説明もなく、唐突に“移植”といわれて誰がОKするのだろう。

 移植チャレンジすれば死ななくてもQОLが下がる可能性が高い。だいたい7年前に本態性血小板血症と診断されたときでさえ『年齢的に移植は死を意味する』と前の主治医に言われた。その後、治療技術が進歩して高齢的にも移植成功のチャンスが出てきたことは理解しているがそれでも70歳が上限のようだ。移植上限が上がってきたものの僕の年齢もそれに合わせるように上がってきているので、僕にとって状況に変化はない。QОLも含めあと5年は今の状態を維持したい。