いつか書こう、書こうと思いながら
発売からすでに3ヵ月。

今や、ハロヲタのみなさんに
『バイティア』を配るのが
わたくしのライフワークと

なっております。

このブログの解説を見ながら、
また『バイティア』を

聴いてもらって、
新たな楽しみを

発見してもらえたら。



<アルバムの特徴>

▼収録全10曲すべて新曲

過去にリリースしたシングル曲は
敢えてここには入れず、
すべてがアルバム用に

書き下ろした新曲。

アイドル界では珍しく
アルバムとしての価値を追求した
異色の一枚といえる。
(曲順にもこだわりが見える)


▼10曲すべて異なる作家陣

今まで、タスクのほとんどの楽曲は
GUCCHO(Toshiya Yamaguchi)が

手掛けてきたが、
今回のアルバムは彼のみならず
1曲ずつ全て異なる作家陣を起用。

それゆえに、ファンクロック、
王道アイドルソング、
シティポップ、バラード曲など、
楽曲のジャンルは多岐にわたる。

バラエティに富んでいるが、
散らばらず、タスクの色は
しっかりと表現されているところに
プロデュースの手腕と、
3人の幅広い表現力を感じる。


▼アルバムのタイトルについて

タイトルを直訳すると「紫色の涙」。
紫色は、

タスクのイメージカラーであり、
衣装やロゴなど

様々なところに使われる。

1stアルバム名は

メンバーカラーであったが、
2枚目のこのアルバムは、
よりシック(上品)で、

オトナになったメンバーの成長が

感じられる内容、タイトルといえる。


<収録曲>

01.メインアクター
(作詞:Ryota Saito(齋藤亮太)、作曲・編曲:五十嵐テレス)

夏フェスでこれやれば
雨だろうが、嵐だろうが、
(タスクは雨女です)
必ず盛り上がったという
フェス向けキラーチューン。

白岡今日花得意の巻き舌に始まり、
ファンキーかつ
グルーヴィーなノリが心地よい。

サビで一気にパーンと弾け、
一見さんも思わず身体が勝手に
動き出してしまうのは
タスクの真骨頂だが、
この曲が持つ華やかさ、ライブ感も
それを呼び起こす一因だろう。
(ある意味タスク的阿波踊り?!)

ホーンアレンジで味付けされたサウンドは
洗練されており、
生バンドでも映える曲である。

 

 


02.my Buddy!!!
(作詞・作曲・編曲:中村歩、菊池博人)

親しみやすいメロディラインに
リズミカルな裏拍が
ウキウキ弾けるポップナンバー。

里仲菜月推しだから言うわけではないが、
これはなっちゃんの曲。

サビのジャンプなど
リズムに乗ったときの

躍動感はもちろん、
Cメロから落ちサビまでの
伸びやかなヴォーカルは
なっちゃんの新境地。

落ち込んでいる仲間を励ます
素朴でカラッと明るい歌詞が、
タスクの3人の関係性を
表しているようでもある。

 

 

ちなみに、

MVの中に出てくるキャラクター
「たすふぁんちゃん」、
ゴミ屋敷から出てきたオバケでは
ありません(笑

「たすふぁんちゃん」、

マジでかわいい。

中に入っている女の子は、
渡邊鈴音(りんね)ちゃんです。


03.ひと夏ボーダー
(作詞:MIZUE、作曲:すみだしんや、編曲:Masayoshi Kawabata(川端正美))

夏らしさ全開の

爽快なポップチューン、
昨年のマイベストソング。

コード進行、
リズムの変化の付け方、
曲の構成、
いずれも近代的かつキャッチーで、
全てが個人的にドストライク。

日本語として
正しく発音することよりも
イントネーションの響きの面白さや
韻を踏むような発音、
素材としての声の個性を
そのまんま生かしているところに
センスを感じる。

ちなみに、
白岡今日花、里仲菜月が
運転免許を持っているのに対し、
熊澤風花だけ持っていないので、
(2人のパートには)クルマの運転を

連想させる歌詞が出てくるのに対し、
ふーちゃんのパートだけ
「横断歩道」を「スキップ」する
歌詞となっている。


04.哀嘘,私寝(I lie,I lie)
(作詞:Ryota Saito(齋藤亮太)、作曲:浦島健太、野口大志、編曲:野口大志)

平成世代の歌謡曲風。
こういうジャンルも
タスクの守備範囲といったところか。

タスクも7年目を迎え、
白岡今日花、熊澤風花は

ハタチにもなった。
「だって乙女でいらんないから、

去年までとは違うから
傷つくわけにはいかないのよ」
そんなちょっぴり意地っ張りな
オトナの失恋ソングが
似合う女性になってきたことの

証左である。


05.背徳的カタオモイ
(作詞:フトメホソシ、GUCCHO、作曲・編曲:GUCCHO)

緩急自在のサイケデリック・スカビート。

意識的にクセが強めの

リズムとピッチを
生み出すことに関して、
GUCCHOはかつてのつんくと
作風が似ている。

それはこれみよがしにではなく、
ほんのちょっとしたところの
音符が示すリズムや

転調に現れる。

勝手知ったるメンバーの個性を
生かすのはお手の物。

オラついて不機嫌な里仲菜月に、
可愛い悪女を演じる熊澤風花、
極めつけは「悪いオンナかもね」の
スーパー今日花タイム。
 

 

三者三様の

「背徳的カタオモイ」ぶりが

楽しめる。

 


06.クーリングオフはできません!
(作詞:早川博隆、中原徹也、作曲:早川博隆、編曲:早川博隆、浅田大貴)

この恋愛、先へ進んだら
もう後戻りはできません、
というわけである。

ギャグなのかホラーなのか

真剣なのか
もうひとつ掴みどころがない曲。

アルバム曲の中ではこれが最後に
お披露目された。


07.La La La ショコラ
(作詞:古垣内麻衣、氏家健治、作曲:yu-ya、編曲:yu-ya、DROP K)

ケンズカフェ東京25周年

アニバーサリーソング。

タイトルの「ショコラ」にある通り、
ケンズカフェ東京は

ガトーショコラの専門店。
2018年には、

8thシングル「けどハニカミ」が
20周年アニバーサリーソングとなっており、
以来、タスクとは

長い付き合い(コラボ)になる。

お菓子そのまま甘くて可愛い曲だが、
マーブル模様の衣装や、
歌い方も意識的に可愛くしたり、
これだけ「可愛い」に全振りしている
タスクも珍しい。

 

 


08.相対性♡LOVE!
(作詞・作曲・編曲:村カワ基成)

ヒップホップ感覚で
口語体に抑揚をつけて
王道アイドルポップに仕上げた一曲。

「だって、だっだって、恋愛チュー」
の3連弾が楽しい。

曲を作ったのは、
カントリー・ガールズ「恋泥棒」、
虹コン「トライアングル・ドリーマー」の村カワ基成。


09.SPOOL
(作詞・作曲:塩入冬湖、編曲:FINLANDS)

間奏のギターサウンドが印象的な
オルタナティヴ・ロック。

FINLANDS(フィンランズ)の

塩入冬湖は
その作風から、
スピッツの影響を受けていることが

わかるように、この曲も、

ソリッドなバンドサウンドに
なっている。
(塩入冬湖はボーカリストとしても面白い素材だ)

オーラスの物語に繋がる前の
遠大なスケール感を演出する。


10.夢見る季節を過ぎても
(作詞・作曲:見田村千晴、編曲:清野雄翔、倉品翔)

タスク初期に見田村千晴が書いた
「マーブル色の気持ち」のアンサーソング。

「マーブル色の気持ち」が十代の女の子の
オトナになることへの

躊躇を描いた曲ならば、

「夢見る季節を過ぎても」は、
オトナに変わっていく

自分を肯定する曲である。
そして、前へ進んでいくための曲である。

熊澤風花はこの曲をこのアルバムで

最も印象的な曲のひとつに

挙げているが、
この曲はそのまま
Task have Funにとっての成長物語、
そして未来へと続いていく物語に

なっている。

歌詞の言葉ひとつひとつが
3人にとっても、ファンにとっても
エモーショナルに響く、

アルバムラストにふさわしい曲。