日が暮れるのもだいぶ遅くなった。

仕事の関係でいつも通り、

開演時間ギリギリに到着したが、

18時ちょっと前の武道館でも
こんなに明るい。


今日は、
BEYOOOOONDSにとって、

初めての日本武道館なのである。
グループとしてのキャリア、
そしてここ数年はコロナ禍で

活動制限されていたことを考えると、
驚異的なスピード(3年半)で、

ココまで辿り着いた。

メンバー個々では、

十分な経験を積んでいる子ばかりだが、
「寸劇スタイル」という

ニューノーマルなスタイルを

標榜するグループが、

武道館という大きな箱で
どのようなステージを見せてくれるのか、

その「初体験」に
興味津々でこの日を迎えた。

ツアータイトルは
ボビー・マクファーリンのヒット曲
「Don't Worry, Be Happy」をもじった
『どんと来い! BE HAPPY!』

わたしたちはエンターテイナー集団、
どんな人だって、

楽しませてみせる。
そんな自信が見え隠れする。

 

心配するな、

楽しく行こう!

というわけである。

ならばこっちも、

心から楽しもうではないか。


<セトリ>

01.英雄~笑って!ショパン先輩~
02.虎視タンタ・ターン
MC
03.Go Waist
04.ニッポンノD・N・A!
05.きのこたけのこ大戦記
▼雨ノ森川海メドレー
06.ヤバイ恋の刃
07.そこらのやつとは同じにされたくない
08.GIRL ZONE
▼SeasoningSメドレー
09.ワタシと踊りなさい!
10.We Need a Name!
▼CHICA#TETSUメドレー
11.高輪ゲートウェイ駅ができる頃には
12.二年前の横浜駅西口
13.都営大江戸線の六本木駅で抱きしめて
MC
▼ハイブリッド寸劇「メガネくんは罪なやつ」
14.眼鏡の男の子
15.文化祭実行委員長の恋
16.恋のおスウィング
17.四年バンジージャンプ
18.OOOOOVERTURE
19.こんなハズジャナカッター!
VTR
20.激辛LOVE
21.ハムカツ黙示録
22.Now Now Ningen
23.恋愛奉行
MC
24.ビタミンME
25.フレフレ・エブリデイ
26.アツイ!
MC
27.オンリーロンリー
ENCORE
01.涙のカスタネット
MC(メンバー挨拶)
あんなことこんなこと振り返ってメドレー
02.伸びしろ~Beyond the World~


センターステージに
グランドピアノが

どんと置いてあるではないか。
ほのぴ(小林萌花)のピアノが
BEYOOOOONDSの楽曲で

どれだけ大きなコンポーネントと

なっているかを
示唆するような構図だ。

そんなほのぴのピアノ伴奏から
「英雄~笑って!ショパン先輩~」
で幕を開ける。


続く、ひなフェスで初披露した
「虎視タンタ・ターン」、
キャッチ―なノリのいい曲で
ここで早くも、

グループの振り幅の大きさを

感じさせる。

今回のセトリ、

アルバム曲から

シングルのボーナストラックまで
BEYOOOOONDSの

デビューしてから全ての持ち歌が
組み込まれていた。

まさに、
今までのBEYOOOOONDSの

集大成というべきライブ。

おかげで
「きのこたけのこ大戦記」など
初めて生で聴く曲も多かった。

各ユニットのメドレーを挟んで、
武道館仕様の寸劇が始まる。
メガネくんを巡る恋愛模様。

ブラッシュアップされた

「眼鏡の男の子」の完全版だ。
こころくんは自分に気があると
妄想に耽る島倉お嬢様。
あっさりとこころくんを諦めたと
思いきや未練たらたらの夢羽。
なるほど、

こころくんは罪な奴だ。

センターステージだったことが
「寸劇スタイル」には

味方したかもしれない。
すり鉢状の武道館のスタンド、
四方八方の上の方(2階席)から
1点集中でセンターステージに
視線が注がれる分、
エネルギーが散漫することなく
舞台への集中力、求心力が増していた。

なにより、12人の動きがつぶさに見える。

歌うことよりも

リズムに合わせてセリフを
滑舌よく言う方が

めちゃくちゃ難しいと思う。
誰ひとりとして噛まずに言える

BEYOOOOONDSってすごいなと
ヘンなところに感心してしまった。

「激辛」「ハムカツ」からの

フルコース料理に舌鼓を打つ。
ただでさえ

動きが激しい曲ばかりなのに
顔芸までぬかりがない。

「ビタミンME」や

「フレフレ・エブリデイ」といった
元気が出るエナジーソングの後に
「アツイ!」のヘドバン、これは効く。

意識が吹っ飛びそうになりそうなものだが、
そこはアドレナリンでカバーする。

いっちゃん(一岡伶奈)の
「いったんここで終わりますけど」で

キッチリ笑いを取った後、
ツアー新曲の「オンリーロンリー」で

本編は締め。

カスタネットはどこで使うんだろう、
と心の片隅でずっと気になっていたが、
その本領が発揮されるのは、

アンコールの一発目だった。

太鼓の達人方式の

モニターに合わせて
カスタネットをたたく。
事前の動画で練習した成果か、
リズム天国で慣れているからか、
見事に揃うヲタ芸。
この武道館全体に響く

乾いたカスタネットの音、

結構いいな。
1曲だけなのが勿体ない気がした。

「今日の武道館公演、もう一度初めからみたくないですか?」
そんないっちゃんの謎の言葉に続いたのが、
振り返り全曲ダイジェスト。
この日の公演でやった1曲目から一通り、
超ダイジェストで

再現してしまおうというもの。
なかなか凝っている。

途中でうーたん(里吉うたの)が
「色とりどり伸ビヨ~」と
やるはずのない曲を

急に歌い出したのが
思いっきり意表を突かれて
今日イチでツボったと言っておきたい。


ラストはもちろん

「伸びしろ~Beyond the World~」。
歌い出しで、

みんなが輪になって
顔を見合わせたとき、
挨拶時にメンバーが口々に話していた
「BEYOOOOONDSで良かった」

という言葉を思い出した。
ほのぴの言葉を借りれば、
そこは限りなく「優しい空間」だった。

BEYOOOOONDSは、

1人1人が高いスキルを持っているが、
その一方で、

1人の力ではここまで辿り着けなかったと

メンバー全員が本音でそう言っている。

これがBEYOOOOONDSの

強さなのかもしれない。

「伸びしろ」の歌詞は、

今の彼女達の立ち位置そのまんまだ。


伸びしろ、ウチらには
伸びしろ、あるから
まだ何も終わっちゃいない
今始まったのさ

そう、BEYOOOOONDSの進撃は、

今始まったばかりである。


最後にメンバーの感想


●清野桃々姫

パワフルボイスが武道館に合う。
ステージから転落したシーンは見ていなかった。
本人は「大丈夫」だと言っているが、

今はアドレナリンが出てる状態だから、
まずはケガがないことを祈ります。

●岡村美波

「アツイ!」で美葉ちゃんに

肩もみを強要するシーンで
今日は肩ではなく

イヤモニを直されてたみいみ。
MCでは感情が爆発してたけど
「本物のアイドル」になる道は

まだまだ続くと思ってる。

●江口紗耶

新木優子が武道館にいて、

デイジーのペンライトを振っていた模様。
さやりん推しなのか。

わかる、わかるよー。
あの長髪ポニーテールいいよねー。

●西田汐里

空から降りてくるハムカツを

かじったときの笑顔最高ね。
自分が武道館に立っている意義を

噛みしめながらの挨拶、

そういうマジメなところ好き。

●山﨑夢羽

ゆはの顔芸も絶好調だったな。
顔芸っていうか、

心の底から出るユハッピーな笑顔が尊い。
「伸びしろ」の「心の羽広げて」って

夢羽のことじゃん、って
今更気付いた。

●前田こころ

武道館のセンターステージど真ん中で

衆目の目にさらされながら
生着替え(一応カーテンで隠されているけど)。

こころたんには、

3代目引田天功を名乗ってほしい。

●里吉うたの

タンタターンのうーたんの

「子猫ちゃんて思ってた?」マジやべえ。
心うーたんれた(撃たれた)。
万感の思いを込めた

「止まらなかった涙も、いつかは笑顔に変わるのね」も

忘れられない。

●島倉りか

武道館という大箱で

大好きな「恋のおスウィング」聴けて感無量。
いつにも増して

お嬢様キャラがサイコパス化。
「眼鏡の男の子」を

爽やかな学園ドラマで終わらせない、
りかちゅんという人此処にあり。

●小林萌花

ほのぴの個人的ベストシーンは、
「ニッポンノD・N・A!」の間奏で、

颯爽とショルダーキーボードかついで
センターステージに躍り出た瞬間、

あれTKよりTKだった(HKか)。

●平井美葉

「きのこたけのこ」のセリフなど、

武道館が宝塚劇場と化したシーンがいくつかあった。

あれはみよりんにしかできない芸当。
ビヨの涙もろい人ナンバーワン。

●高瀬くるみ

大舞台でもいつもと変わらないくるみん。
セリフ力はBEYOOOOONDSの中でも

頭ひとつ抜けている。
まだまだここは通過点、

くるみんが一番よく知っている。

●一岡伶奈

今日はじめて踊っているいっちゃんを見て

クールでカッコイイ、と思った。
今まで気づかないでごめんなさい。
研修生の頃から憧れてた舞台、

そこに初めて立ったいっちゃんは力強かった。

 

いっちゃんのお姉ちゃんには、

いっちゃんのことどう映ったのかな?