今年も年末の風物詩、

世界最強タッグ決定リーグ戦が開幕となった。
参加総勢12チーム。

譜久村聖・生田衣梨奈組、
石田亜佑美・小田さくら組、
上國料萌衣・笠原桃奈組、

金澤朋子・高木紗友希組らいつもの顔触れに加え、

竹内朱莉・橋迫鈴組の義兄弟(孫)タッグや
牧野真莉愛・佐々木莉佳子組の越境タッグが
話題を集めた。

 


――開幕戦でいきなり事件は起きた。

岡村美波・清野桃々姫組v.s.岡村ほまれ・山﨑愛生組の

爽やかな激闘の余韻が残る第5試合、
新沼希空・浅倉樹々組v.s.小野瑞歩・小野田紗栞組のつばき同門対決。
試合開始から10分経過したときのことだった。

 

突然、戦慄の「二度シャワー」が場内に流れると、照明が暗転。
1分くらいの暗闇バトルが繰り広げられただろうか、

再び照明がパッとつくと、リングの中央に、

顔に極悪同盟ペイントを施したりさまるが仁王立ちしているではないか。
その足元には(血糊をつけて)顔面血だらけの希空と樹々が倒れている。
これは、りさまるの仕業なのか?

「これから、みなさんに面白いものをお見せする」

りさまるは、そう言うやいなや、

傍らから激辛カレーを取り出すと、
樹々ちゃんの口に次々続々と激辛カレーを流し込む暴挙に出る。
足をバタバタさせてのたうち回る樹々ちゃん。
後楽園ホールに

悲鳴と重低音ストンピング攻撃がこだました。

「エースがこんな弱々しい仮病野郎じゃ、他のヤツもたかが知れてるな」
と憎まれ口をたたくりさまるに、
たまらず、控室から飛び出し

りさまるを止めようと雪崩式リングインするきしもん。
あんみぃも楽屋でチンした白飯を持参して樹々ちゃんの救出に向かう。

きしもん「おいオガタ、なにしてんだ!あんた、まだ謹慎の身やろ?!」
りさまる「ハイハイ、また上から目線の説教ババアか。

おまえのそういうところもう飽き飽きしてんだよ」
実況席のりこりこは、心配そうにリング上を見つめている。
「あとは私が書いた台本通り、無事に2人がやってくれたら…」

きしもん「あんた、キャメリア魂を忘れたんか?!」
りさまる「最初っからねえんだよ、そんなもん」
きしもん「そんなことない!メジャーデビューが決まったあの日、

ディファ有明のステージに上がる前から泣いてたやろ」
りさまる「…」
きしもん「誰よりもつばきのために頑張ってたその姿、ウチ、知ってんで」
りさまる「…」

りこりこ(いいぞ、その調子!)

きしもん「結局、何がやりたいんだタココラ」
りさまる「…?」
きしもん「つばきを辞めるのか、それとも戻ってくるのか、どっちなんだ!

どっちなんだよコラ!」
りさまる「何がコラじゃコラ!」
きしもん「ナニコラ、タココラ!」
りさまる「んだコラ!」
きしもん「けん玉で地味にオマケチャンネル飾るなって言ってんだ、コラ!」

りこりこ(あれ、違う!これは私の書いた台本じゃない!途中からすり替えたの誰?)

すると、リングサイドに座っていた工藤由愛が

「タココラ!」と自分が挑発されたと勘違いしし、

顔を真っ赤にしてリングに駆け上がる。
そして「タコをナメるな!」とヒステリックに言い放つと、
毒霧ならぬ毒タコ墨を

きしもん、りさまるの顔に向けて立て続けに乱射した。

「うぎゃああ!黒い煙幕で何も見えない!」
悶絶する2人。
きしもんは由愛ちゃんのオクトパスホールドで

完全に動きを封じられてしまう。

そのどさくさを待っていたのが、

イカちゃんこと小野田紗栞であった。
「感謝感激マジマンジ」を口ずさみながら、
予告自撮りからのアイアンクローで樹々ちゃんを押さえ込み3カウント。
同門対決を制し、勝ち名乗りを上げるさおりん。


「わたしはちゃんとやってる!いっつもこうだ!」と

思わず本音を漏らしてしまうりさまる。
実況席で頭を抱えるりこりこ。
落ち込むりさまるの肩をポンポン叩きながら

「まるちゃんドンマイ。またチャレンジ部一緒にやろうよ」と
ニコニコ笑顔で励ますレフェリーのまおぴん。

果たして、最後に笑うのは誰か?

 

 

当時、プロレス界の最大のアイドルといえば、ザ・ファンクス。