まるで、今までの「野村みな美物語」をギュッと凝縮したような、
素晴らしいバースデーイベントだった。


【イベント内容】 ※2部  司会:上々軍団

・オープニングアクト
上々軍団「仲間」

・以心伝心!みなみなどっち

<ライブコーナー>

01.カクゴして!(アンジュルム)
02.大きい瞳(モーニング娘。)
MC
03.First Kiss(あぁ!)
04.My Days For You(真野恵里菜)
MC
05.彼と一緒にお店がしたい(モーニング娘。)
06.自信持って 夢を持って 飛び立つから(高橋愛)
07.みんな、ありがとう。(真野恵里菜)
MC
08.開き直っちゃえ!

・お母さんからの手紙

・エアのむ(飲み)


●のむさんは、いつも笑ってた

のむさん20歳のバースデーは、まさかの純白のセーラー服(昭和スタイル)。

アイドルとして最後のソロイベント、
のむさんなりに思い残すことがないように考えた結果なのだろう。

MCは、いつもののむさんスタイル。

司会の上々軍団の話など聞いているはずもなく、話がどんどん脱線している過程で
「あれ、これなんの質問でしたっけ?」と迷走するいつものヤツ。

自由に思いついたことを喋り、背中をポリポリ掻いてはさわごろにツッコまれる。

ライブ前の発声練習と題して、ヲタに「みなみなーーーーー」と言わせ、
大きな口を開けたヲタ連中を見てはケラケラと笑う。

ああ、こぶしライブの度に最高に癒されたこんなのむさんのMCも、
もう聞けなくなるのかと思うと寂しくなるじゃないか。


●毎年恒例「以心伝心!みなみなどっち」

最初にバースデーメッセージをくれたのは和田桜子ちゃんだそうです。
メッセージの中身は「日付変わったねー」。
次が山岸理子ちゃん。
そのとき、のむさんは日を跨いでシャワーを浴びてたらしい。
マイペース日本代表のはぴぷれ3人組は、波長もピッタリ。

アルバムで一番好きな曲は、A:開き直っちゃえ!、B:ハルウララで、回答はB。

知ってた、俺もハルウララが一番好きだで。

最後まで残った5人は賞品(ブレスレッド)が貰えるというものだったが、
ラスト6の1人に、2階席奥で見てたリーダーのあやぱん(広瀬彩海)が勝ち残るという、

さすがのみなみなフリークスぶりを発揮。
結局、あやぱんがヲタに賞品を譲って無事決着。

 

 

●自由を謳歌してこそ、我が人生なり

ライブコーナーは、まさにのむさんのアイドル人生の集大成と呼べるもの。
敬愛するあやちょ(和田彩花)の「カクゴして!」から始まって、
「大きい瞳」(ホントは「抱いてよ!Please Go On」の方をやりたかったみたいだが、

ラップが壊滅的にできなくて、イベント寸前で諦めたらしい)、

ヲタからのリクエストが多かった「First Kiss」、
そして、実力診断テストの時から大切に歌い継いできた「My Days For You」。
前年の実力診断テストで「夢見る15歳」をうまく歌えずに、初めて悔しさを覚え、
そして初めてこの一曲に集中して取り組んだ、そんな思い出の曲。

のむさんって、マイペースな性格以前に、誠実ですごく真面目であり、
そんな堅物な一面が、かえって自分の考えを縛っていたところがあった。

こうしたバースデーイベントでも、決められた通りに振り付けして、
完璧に歌わなきゃいけないものだとずっと思い込んでた。

ところが、こぶしでライブを重ねていくたびに、決められたことを決められた通りに
やるよりも、「魂」が伝わることの方が大事だということに気付いた。
のむさんが、だんだんと「ロックシンガー化」していったのはその頃からだ。

そして今日、このバースデーイベントで、初めて振り付けを覚えるのをやめ、
自分が歌いたいように歌った。

そんな自信に溢れ、これから新しい世界へ飛び立とうとするのむさん、
そして、照れ屋ながら、今までの「ありがとう」の気持ちを歌に乗せるのむさんを見てたら、
ポロポロと涙が止まらなくなった。

 誰よりも私を わかってくれてるの
 そばにはいないけれど 一緒にいるみたいよ
 だから頑張れるよ 走ったり跳んだり
 失敗も気にしないで 今日も笑ってるよ

「開き直っちゃえ!」で“ワカチコワカチコ”した頃には涙も引っ込んでいたが、
のむさんが最後に歌った「開き直っちゃえ!」こそ、長いアイドル人生で彼女が辿り着いた

境地だったのだ。

 


お母さんの感動的な手紙にも、ニコニコ笑っていたのむさん。
(代読した女性の声じゃなく、お母さん本人の声だったら泣いてたというのむさん)
ついに、のむさんが人前で泣いてる姿を見ることは一度もなかったな。

研修生時代は数人のファンしかいなかったと振り返る彼女が、
ピンで赤坂BLITZを満員に埋めるまでなった。
こんな未来、誰が想像しただろうか。

最後、20歳になってお酒も飲める年齢になったということで、
なぜかエアハイボールでヲタとエア乾杯するという斬新な締め。

自由を謳歌してこそ、我が人生なり。


お見送りで「ありがとう」と声かけたら、最高の笑顔をくれたのむさん。
その天真爛漫な笑顔を、ずっと忘れない。