今日(12/25)、東急電鉄は、大井町線全線開通90周年を記念する
セレモニー(出発式)を、11時より大井町駅で行いました。
そのセレモニーに一日駅長として参加したのが、今回90周年のアンバサダーに
就任したBEYOOOOONDSのいっちゃんこと一岡伶奈。
多くのハロヲタとわずかな鉄ヲタでひしめく1番ホームに、
東急電鉄マスコットの「のるるん」と一緒にあらわれたいっちゃんは、
力強く「出発進行!」を宣言し、記念列車を見送りました。
鉄道好きで、このような鉄道イベントに携わるのが夢だったいっちゃんにとって
忘れられない一瞬だったに違いありません。
そもそも、どうしていっちゃんがアンバサダーに選ばれたのでしょうか。
鉄ヲタの女性アイドルというのは、今時珍しくないもの。
とくに記憶に残っているのは、「タモリ倶楽部」に何度か出演し、
タモリも認めるほどの鉄道知識を誇り、レアグッズ収集にも目がなかった
私立恵比寿中学の廣田あいかですね。
彼女はもう引退してしまいましたが、こんなモンスターがウヨウヨいる世界で、
知名度で劣るいっちゃんが台頭するのは厳しいと正直思ってました。
今回、いっちゃんが東急電鉄の目に留まったのは、
いっちゃんの鉄ヲタとしての目の付け所が独特だったからだと思うのです。
それは、大井町線(6000系)の座席の「かたさ」。
いっちゃんは、それぞれの電車の座席を「かたい」「かため」「ふつう」
「やわらかめ」「やわらかい」の5段階で評価しており、
その中でも大井町線は4段階目の「やわらかめ」に属すると断言しています。
「かたい」「かため」だと反発があって、座っていてもあまり休まらないというデメリットがあり、
座り心地を考えればやっぱりやわらかい方がいいということになるんですが、
「やわらか」すぎると身体が沈み過ぎるため、今度はかえって腰や膝に負担をきたす恐れが
でてきます。
上記のことを踏まえ、結論として「やわらかめ」が乗客にとって一番ベストであり、
大井町線の座席が一番だといっちゃんはかねてから主張していたのです。
(まあ、歯ブラシや麺の固さ同様、人の好みはそれぞれと言えばそれまでだけど…)
普通、鉄ヲタが興味があるのは見た目だったり音だったり、視覚や聴覚を使うものが
ほとんどだと思うのですが、
いっちゃんは、なぜか、座り心地を追求した。
でもそれはまさしく、電車を利用する者にとっては一番実用的な
こだわりポイントだったわけです。
↑オレンジの路線が大井町線(溝の口より先、長津田、中央林間への直通運転あり)
実際、東急電鉄は「座席」の座り心地にこだわって大井町線の車両開発を進めてきました。
その理由の一つは、高級住宅街である世田谷を横断する大井町線は、
ハイソサイエティな階級層のお客さんにとっても利便性の高い電車であること、
そしてもう一つは、溝の口駅などで接続している田園調布線の通勤ラッシュ時の
混雑緩和の役割を果たすため、快適さをよりアピールし、利用頻度をより高めてもらうこと。
それが顕著にあらわれたのが、大井町線有料座席指定サービス「Qシート」の導入です。
平日の夜、大井町駅を発車する急行に限り使える、
要は「グリーン車」の指定席券みたいなもので、料金は一律400円。
ゆったりした座席でくつろぐことができるし、コンセントが完備しているので、
充電しながらノートPCやタブレットを使って作業することも可能となっています。
これが仕事帰りのお父さんに好評で、仕事でヘトヘトに疲れた後、満員電車に揺られたくないという方にとっては、ありがたいサービスなんだそうです。
そうした東急電鉄の「こだわり」と、いっちゃんの「こだわり」が見事にリンクして
今回のアンバサダー就任に至ったと考えます。
これも、デビューまで長い時間、諦めずにずっと待ち続けたいっちゃんへの
サンタさんからのプレゼントだったんでしょうね。
この日、大井町駅1番ホームの縁には、
季節外れのカキツバタが一輪、咲いていました、、、。
そして、いっちゃんの鉄ヲタクエストの旅はまだまだ続く。