ハロメンがソロで歌う機会がめっきり減って、
それこそバースデーイベントくらいでしか、ソロ歌唱を堪能できない昨今に
ちょっと物足りなさを感じてしまいます。
1曲を最初から最後まで「歌い切る力」というのは、
そういう訓練を繰り返ししないと身に付かないものだから、
とにかく場数を踏むことが大切なんですよね。
あやや(松浦亜弥)だって、最初から上手かったわけじゃない。
全国ライブツアーを3回、4回とやっていくうちに、急激に伸びていったんだよね。
今から15年前の秋、この時期あたりから、歌に遊び心が出てきたと同時に、
急にホンモノになっていったのを覚えています。
◆コンサートツアー2003秋~あややヒットパレード!~
1曲目がデビュー曲『ドッキドキ!LOVEメール』からスタートするんだけど、
この曲であややにバトン持たせた演出の人は天才だね。
以前にもブログで書いたけど、『ドッキドキ!LOVEメール』自体が、
一定のリズムを持って進んでいくつんく流の行進曲だから、
その曲調と演出がピッタリハマった好例だと思う。
この頃から、身体の動きでリズムを引き出したり、
リズムが先走らないように、母音にアクセントを付けてタメを作ったり。
わかりやすいのが、2曲目の『トロピカ~ル恋して~る』の
「彼がちょっとトロピカルっぽいKISSを期待してたらどうしよう」の部分を
「きいぃ~っすを き・たぁーいしてたら」と歌うことによって、
タメができ、よりグルーヴ感が強調される。
アンコールの『笑顔に涙~THANK YOU! DEAR MY FRIENDS~』なんか、
当時、椎名林檎も絶賛してた巻き舌炸裂ののあやや節全開。
一部では「やりすぎ?」なんて声もあったけど、これくらいソウルフルな感じでちょうどいい。
サビの「ね 全部全部 夢みたい」の「ね」が「あ」に代わってるのも面白い。
他もところどころでそうなってるけど、
言ってみればこれは、東京音頭の「踊り踊るな~ら、ちょいと東京音頭、あ、よいよい」
の「あ」と同じ“アクセント”としての効果を狙って使ってるよね。
つんくの指導なのか、あやや独自の解釈なのかはわからないけど、これには唸ったね。
もうここまでくれば、れっきとしたプロ歌手です。
やっぱり、究極のアイドルの形は、グループよりもソロ歌手だと思うし、
そろそろ、あややに匹敵するような、ソロアイドル、ソロアーティストが出てきてくれたら楽しいんだけど。
それには、優秀なプロデューサーの存在も必要だ。