来年の4月をもって、フクちゃん(譜久村聖)のモーニング娘。リーダー在任期間が
4年4ヶ月となり、6代目リーダー高橋愛を抜いてトップになります。

3年を超えたら長期政権というイメージがありますが、
歴代リーダーで3年を超えているのは中澤裕子、飯田圭織、高橋愛の3名だけ。

とくにここ数年は安定期で、過去と比べてもグループの結束力は一番といっていいほど。

フクちゃんの帝王学の秘訣にちょっとだけ迫ってみました。


■君臨すれども統治せず

前任8代目の道重さゆみが卒業し、今まで引っ張ってきた先輩がいなくなり、
グループとして向かうべき方向性を見失いつつある感覚を、フクちゃんは感じていました。
この停滞した雰囲気を変えるには、何かを変えなければいけない。
人とのコミュニケーションには鉄則があります。
「周りの人を変えたいと思ったら、自分から変わること」

自分は歴代リーダーに比べると、言動でメンバーを引っ張っていくには経験が足りないし、
もともとそんなにガツガツ前に出ていくタイプではない。
それよりも、自分と同じ目線でグループ全体を見渡して行動できるメンバーを増やそう。
まずは自分から先に、周りのメンバーを信頼しよう。
それは一般的に組織を強固にするための、すこぶる正しいアプローチでした。

なぜなら、いくらリーダーが飛び抜けて有能でも、1人の人間に出来ることは限られているからです。
全員が自分の力を出せる環境を作ること(モーニング娘。がちょうどそういう過渡期にあったということも言えます)。
フクちゃんの場合、その最適解に辿り着くのが、とても早かったのです。

同期の鈴木香音や、10期の工藤遥、飯窪春菜は周りを客観的に見ることに長けており、
自分を抑え、うまくバランスをとる役目を果たしました。

メンバーは「自由」を与えられたのと同時に「責任」も自覚するようになっていきました。
それまで自由奔放に振舞っていた佐藤優樹にも、徐々にプロ意識が芽生えはじめ、
今やパフォーマンス面でモーニング娘。を牽引するにまで成長しています。


■伝統の重み、OGとの繋がり

モーニング娘。には長い歴史があり、伝統があります。
本当なら、自由気ままにパフォーマンスできればいいのだろうけど、
昔の栄光や、先輩方が残してきた確固たる実績が、ときに重くのしかかり、プレッシャーになったりもします。

フクちゃんの場合、そんな伝統に意義を感じ、大切に考えているリーダーでした。
例えば、OG1人1人に対してシングルがリリースされる度に連絡を取り、
今現在のモーニング娘。の活動についてつぶさに報告するなど、

常に先輩達から興味を持ってもらえるように、
また先輩方との距離をある程度近いところでキープしながら、
時に先輩の意見に耳を傾け、そうした「無形の力」を信じてやってきました。

今年のハロー20周年にあたって、かつてのOGとの共演がスムーズに決まったのも、
そうした日頃からの関係性、繋がりがあったからこそと言えます。
「誰よりも、モーニング娘。が好き」と胸を張って言える、フクちゃんならではの
行動力がこんなところにも生きたのです。

そういえば、先日ハワイにプライベート旅行に行ったフクちゃんはつんくと再会しましたね。
20周年で諸々曲は提供しているものの、海外離れた現状ではつんくも、今のハロプロに対して少々疎遠な印象を持っていると思いますが、
こういう機会にフクちゃんから「モーニングは今どんな雰囲気や」とか「あいつはどうしてる」

など詳しい話、懐かしい話を聞けて、つんくもさぞかし嬉しかったことでしょうね。


■これからも自然体で

まるでお母さんのように優しい目線で、モーニング娘。を見守るフクちゃんですが、
普段は、ボケかまして周りの笑いを誘ったり、「ねえねえ聞いて、みずきねー」から始まる
甘えん坊マシュマロモードの時があったり、ぽんぽんコンビの相方・えりぽん(生田衣梨奈)に気兼ねなくツッコんだり、
素のままでいられる時間もあるというのも、彼女にとってちょうどいい息抜きになっているかなと思います。

あのときの「道重さんと一緒に歌いたかったから」気がついたら走り出してたフクムラダッシュの時のように、これからも自然体で、

フクちゃんの思うがままに進んでいけば、モーニング娘。は間違いないですね!


P.S. 明日はこぶしライブ@山野ホールです。