つんくさん、

こういう曲が書けるあなたは天才です。

最近のハロプロの足りない要素があるとしたら、

こういうやつかなと思います。
 

 

『ドットビキニ』スマイレージ(2012年)

 

 

●紫外線と露出感のはざま

よく秋元康が書く詞は男の子目線、

つんくが書く詞は女の子目線と言われるけど、

この『ドットビキニ』はまさに女子目線の曲といえます(*1)

まず、この歌詞には、

男子の存在というものが一切出てきません。
恋人探すより、とにかく目立ちたい!
そのために待っているのは、

真夏の太陽の紫外線との勝負、

ライバル女子達との勝負。

 

そして大事なのは若さじゃなくて(ビキニを着る)勇気だと

教えてくれているんです。
一回くらい大盛り食べちゃったって気にしない、
ダイエットしてる間に夏が終わるよ、

とちょっとためらっている女子の背中を
押してくれる応援歌でもあります。

それにしても「注目、注目…」のくだりなんか

よく思いつくなあ。
ちょっとバカっぽい歌詞だけど、

そのリズムが癖になる、
曲先でも詞先でもなく、

リズムが先にできてそこに乗る言葉をあてはめていく、
これだ、最近のハロプロに足りないものは。

ちなみに、サビの歌詞はもともとは

「なつなつなつ…(夏夏夏…)」だったんだけど、
まろ(福田花音)がレコーディングのとき、

間寛平師匠の「血ぃ、吸うたろかー」の
要領で「かかかか…(夏夏夏…)」とアレンジしてふざけて遊んでいたら、
それを聞いたつんくが

「それオモロイな」ということで即採用して
今の形なったのは有名なエピソードですよね。

そんな遊び心と臨機応変さも大切ですね。
さすが、まろ(笑


●大久保ちゃんのサンバアレンジ

この曲のもうひとつの良さは、

思わず腰が動いてしまうサンバのリズムにあります。
打ち込みによるサンバのリズムに

4つ打ちのダンスビートで厚みを加えて
よりテンポ感を出しているのと、
ホイッスルにより、サンバらしさ、

南国の情熱的な要素が加わってます。

CDで聴くと、もっとバックトラックの音が大きくてもいいかなとも思うくらいで、
現場の大音量で聴くくらいが

ちょうどテンション上がります。


(*1)当時4歳だったつんくの娘さんが、ワンピースの水着を着るのを嫌がり、
   可愛いビキニタイプの方じゃなきゃイヤ、と拗ねたことからこの曲が生まれたので、
   正確に言うなら「女の子目線」ではなく「つんくの娘目線」でできた曲、ということですね。



P.S. 明日は六本木ヒルズ夏祭りサマステに出没します。