彼女の名前はりさまる。

いや、本当の名前は「リサ」って言うんだけど、
カタカナの名前がちょっと恥ずかしいらしくて、
自分の名前を書くときにひらがなにして、最後に「。」を付けるようにしたらしい。

彼女と付き合い始めたのは、中学3年生の頃。
早いもので、あれから5年。
彼女は高校出た後、大手の「つばき総合商事」に就職して、
忙しい毎日を送っている。

学生時代、僕ちんは週末の度にスキーだ、スノボだなんて言って
遊び回ってたから、
まる(結局「りさ」も省略して今はそう呼んでいる)から、
「たまにはわたしとも付き合ってよ!」と拗ねられたりもしたけど、

今は彼女の方が仕事で忙しくて、
すっかり立場が逆転してしまった。
たまには、僕ちんだってまるに甘えたい時もあるのに。

この前は、まるのテンションが上がるだろうと思って、
有楽町の名探偵コナンカフェに誘ったら、喜んで来てくれて楽しい時間を過ごしたのだが、
帰りの電車の中、彼女はスヤスヤと寝てしまった。

「まる、最近疲れてんじゃない?」
「ううん、でも久しぶりに遊んだら眠くなっちゃった」
「なんか寝言いってたぞ、『こんな気持ち、はじめて』ってw」
「バッカじゃない。そんなこと言うわけないでしょ」
「いや、言ってたんだってw」

「今度、コナンの懐中時計買おうと思ってるの」
「どうせお高いんでしょ?」
「そんなことないよ、2万円くらいかな」
「やっぱ、高くない?!」
そんな他愛もない会話をしながら、彼女を家まで送っていった。

別れ際に彼女がよく言うセリフ「家に着いたら電話して」、
この瞬間だけちょっと甘えた声になるのが嬉しい。
メールではいつも冷たいんだけどね。

最後に、僕ちんの名前を呼んで、手を振ってバイバイしてくれた。

「それじゃあかねちん、バイバイまた明日!」


…2人はまるねちん。
 

 

今日のテーマソング:モーニング娘。'17 『ロマンスに目覚める妄想女子の歌』