先日のつんく×マツコ・デラックスの対談番組で最も興味深かったこと、
それは、つんくがハワイに住み少し自分の時間ができるになって、
15年ぶりに音楽を聴くようになった、ということです。

逆に言うと、15年もの間、音楽を聴く暇すらなかったというのにビックリ。
たしかにハローのプロデューサーだった頃は、年間100曲作って(3日に1曲!)
スタジオや自宅に缶詰めになって締め切りに追われる日々を過ごしていたわけで、
たまに飲みに行くのも仕事付き合いとかだと、全くプライベートな時間は無いですわな。

華々しく活躍していた天才つんくも、超絶忙しいサラリーマンと同じで
目の前の仕事をコツコツとこなしていたんだなあと思うと、
なんだか共感が湧きますね。

今は年間30曲ペースとのことで、家族との大切な時間や、自分と向き合える時間もあるのでしょう。
そんな中、ハワイの海沿いに車を走らせ、風を感じながら、カーステレオから流れてくるトロピカルハウス。
久々に聴く新しいジャンルの音楽。
すかさず流行に敏感な彼のアンテナが反応したようです。

トロピカルハウスとは、2014年前後に生まれたサブジャンルのダンスミュージックであり、
幅広く世界に流行したEDM(エレクトロニック・ダンス・ミュージック)の進化形と言われています。
文字通り、南国ムードの音楽で、EDMに比べるとゆったりとしたビートが特徴的です。
第一人者として、ノルウェー出身の音楽プロデューサー・KYGOが有名ですね。

 

モーニング娘。が人気V字回復を果たしたきっかけはフォーメーションダンスですが、
このダンスをより際立たせる音楽がEDMでした。
当時は、できるだけメロディの抑揚をおさえてリズムに傾倒する楽曲作りを意図的にやっていましたね。
例えば、EDM路線の代表曲「One・Two・Three」に頻繁に出てきますが、同じ音階の繰り返しによって、ダンスにとって重要なリズムが強調され、効果を生んでいました。

そのEDMから進化したトロピカルハウスは、テンポが少しゆっくりになった分、
メロディラインの美しさが「復活」したことにより、それが明るい曲調に繋がっています。

そうして生まれたのがどぅー(工藤遥)の卒業曲『若いんだし!』です。

ふむふむ、明るく笑顔でどぅーを送り出すのにピッタリな曲調じゃないですか。

初めてこの曲を聴いた人の感想に「FM放送から流れてくる洋楽みたい」というのがありましたが、確かにJ-POP界でトロピカルハウスをやってる人はほとんどいませんから、
日本人には聴き慣れないジャンルの音楽ですよね。

それをモーニング娘。が先頭を切ってやってるわけです。カッコよくないですか!

きっと、ハワイのどこまでも続く青い空を見上げながら、

つんくも「まだまだイケるな、まぁ俺、若いんだし」と呟いていることでしょう。