ー ある日の帰り道 ー
夏の始まりを思わせる
虫の鳴き声。
この鳴き声があるのとないのでは
大違いだ。気持ち的に。
犬違いではない。大違いだ。
あったほうが落ち着く。
夏の始まりだ。わくわくなんだ。
そう、わたしはわくわくしてるんだ。
今日は雨だった。
いまも空には雲がたくさん。
空を見上げると真上に星がひとつ。
少しさみしいけれど
それもいい。
たくさんあるともっといい。
けど星が見えるって贅沢なような気もする。
だって相手は遥か遠くのものだ。
私たちは遥か遠くの輝きを見ているのだ。
また、見えない場所だってある。
見えない人たちだっている。
ひとつ見えるだけで贅沢だ。
虫や鳥には
星が見えているのだろうか。。
初めて抱く疑問だ。
ふと、シナモンの香りがした。
私は、シナモンが大好きだ。
シナモンは
好きと嫌いがハッキリ分かれる食材である。
人間だって同じだ。
誰もが全員に好かれるわけがない。
人間だって、シナモンだって、クセがある。
家に帰れば、ユリの花の香り。
頂いたユリの花。
上品な香りがリビング中に広がっている。
日を重ねる毎に、
一輪一輪、花開く、
そんな今日は、
まだ蕾だった、
歯で言えば乳歯だった最後の一輪が、
花開こうとしている。
成長を見守るのが楽しい。
そして私は今日も美しき花に話しかける。
「綺麗だね。」
花は毎日話しかけると本当に長生きしてくれる。
検証済み案件だ。
今まで話しかけなかったお花たち、ごめんね。
そんな時は、
世界中に溢れているであろう、
亭主関白な夫たちのように、
言葉はなくとも、
心はしっかり君に向いているよ、
という風に、受け止めて欲しいな。
そんな思いを込めて、
今日もおやすみなさい。
明日も、明日を、大切に。
生きてこそ。
みなさんと一緒に
頑張ります(*^^*)

