過去に書いた記事ですが、一部内容を変更して再掲載しました。

 

ここから

 

私と同年代で幼少からバス釣りをしてきた人なら、おそらく少なからず影響を受けたのでは? と思われるこの本。

 

私はこの本は持ってなかったが友人が持っていたので頻繁に読ませてもらい、

その頃のバス釣りの教本(というか目標)となっていた。

 

もともと私はそれ以前は、ダイワルアーフライという本を穴が開くほど愛読していた。

(今思えばこっちの内容の方が断然スタンダードだった)

私はこのダイワの教本の影響で当時ルアー(フライ)フィッシングはダイワが最先端だと思ってたのだが、

 

この本には、

 

ダイワの道具が載ってない。

そしてサーフェイスの釣りばかりしか書いてない。

しかも基本ボートから岸に向かって投げるという前提だし、こんな事は出来ないわ。

 

と思ったものの、本に出てくるへドン筆頭のルアーやアンバサダーのリール、フェンウィック、フィリプソンのロッドがカッコよすぎる。

 

ダイワの釣具やレーベルのルアーしか知らなかった私にはかなりセンセーショナルだった。

しかし、この本に載ってるルアーはまだしも、リールとロッドは欲しくても高くて買えない。

(フィリプソンなんてそもそもそこらの釣具店で売ってない)

 

中学生の私にはダイワのファントム・・・ではなく

その廉価版のスーパーミリオネアGS5000を買うのが精一杯で、ロッドは周りがみ~んなスピードスティックだったので、私はウエダのSUPER PULSER FB-55M/Cをセレクト。

 

数年後にリールがアンバサダー2500Cに変わりその性能に驚愕する事になるが、その話はいずれ書くとして、話をこの本に戻すと、この本の何が凄いのかと言えば、内容云々よりも、

 

ブラックバス釣りの楽しみ方 という題名だと思う。

 

「ブラックバスの釣り方」や「ブラックバス釣り入門」とかではなく「ブラックバス釣りの楽しみ方」なのだ。

 

こんな抽象的な題名をつけた筆者達も、この本だったか別の書籍だったか忘れたが、自分たちのスタイルは 独断と偏見に満ちあふれている と幾度も強調してるわけで、あくまでも1つのスタイルであって、これがバス釣りの基本だと思ってほしくない、というメッセージがこの題名に凝縮されているという事を、大人になって気がついて感銘を受けてしまった。

 

だって当時から本国のバス釣りではバスボートが走り回り、状況に応じて沈むルアーやライブベイト(生エサ)を使うという「釣るためなら手段を選ばない」というスタイルが主流だったからである。

 

 

少し余談になるが、この本の時代から次の世代では、トップウォーターという言葉だけが1人歩きした。

アンバサダー(特に5500番)がトップウォーター用なんて扱いをされたり、

どういうわけか5/8oz以上という大きなプラグを使う事が良しとされ、日本国内にさまざまな似たようなブランドが出現した。

 

中には品のない形状のルアーやグリップを販売したり、また、うっかり営利に走ったメーカーがこの本にあった名竿の模造品を本家に無許可で販売していろいろ問題になったり(皮肉にもこの本の筆者の1人が首謀者だったりするが、これについても後々書くかも)、そういう意識高い系の人達の記事が中心となったトップウォーターの釣り専門の雑誌が発売されたり、挙句はその総集編みたいな トップウォータープラッガーズバイブル という、かなり強気な題名の本が出版される始末である。

 

とかぼやいてる私も(業界の現状を知るために)この本を買ってしまった1人だったりするが、この本を拝見して、バス釣りに限らず 釣りの楽しみ方の本質 というのを再認識する事が出来た。

 

おわり