佐藤雅彦ディレクション「”これも自分と認めざるを得ない”展」を見てきました。
夏休みが終わってるから大丈夫だろうと思っていたのですが、
土曜日ということもあって予想以上に非常に混んでました。
今回の企画展は、基本的に来場者が参加する体験型の展示ということもあって、
全部で22の作品のうち、3~4の人気の展示では1時間待ちという状態でした。
企画のテーマは「属性」。
最もわかっているようで、実はよくわかっていない「自分」というものを
「属性」という客観的なフィルターを通じて自覚するといった感じでしょうか。
11月までやっている企画展なので、
ここで詳細をお話するのは控えないといけませんが、
ただ、「自分」がどういう「属性」なのかといった単純なことではなく、
各作品を見た時に感じる、その感じ方という「自分」もまた
否応なく自覚せざるを得ないもので、
なぜ「自分」はそう感じたのか、なぜそう考えたのか...と
人によってはかなり後を引く作品が並んでいます。
↓僕が今回特に後を引いたのが「金魚が先か、自分が先か」という作品です。

形としては、写真のような部屋が作ってあるだけの作品で、
中には洗面台とその周りに小物が置いてあるに過ぎません。
そして、反対側の壁際には金魚が泳いでいる水槽があります。
この部屋に入ってすぐ、僕はこの驚くべき「演出」にはすぐに気づいたのですが、
それこそがまさに「常識という罠」でした。
浅はかな分析を始めてしまったがゆえに、まんまとトリックを理解できずに
部屋を出ることになってしまいました。
「常識」や「当たり前」と思っている心を無くして幼児のような純粋な心で見ると
この作品の(書籍の解説にあるような)「つまらなさ」を感じれたと思いますが、
残念ながら、自分のものの見方、考え方について強く再認識を促されたといいますか、
常識や既成概念というものの怖さも改めて自覚しました。
自分でもなんだかよくわかりませんが、「あー、やられたー」という感じの
妙に悔しい(?)気持ちが湧いてきました。
一人でも十分に楽しめる企画展ですが、
親しい仲間同士で行くと、それぞれの「属性」についてその場で語り合えて
より楽しいかも知れません。...お勧めですよ。