先日“In the Aisles”(邦題:「希望の灯り」)というドイツ映画を見に、シカゴの北にあるミュージックボックスシアターへ行きました。
レストランの立て看板みたいな黒板に、映画のタイトルと上映時間がチョークで書かれています。
バーテンダー/バリスタも兼ねている発券係の人に映画のタイトルを告げると愛想よくチケットを渡してくれましたが...
「シアター2だから今ちょっと準備するわ」と言うとやおら脚立を持って入り口頭上の情報板の下へ(未だ手作業)。これ、お客さんが誰も来なかったらそのままだったのでは?と思います。
中に入ったら貸し切り状態。
座って待っていると外からさっきの男性が「えーっとAislesってどう綴るんだったっけ?」と別の係員に尋ねている声が聞こえてきます。
さっきしゃべった時、間違いなくネイティブだったので日本人が漢字の綴りに迷うようなものかと(笑)。
ダウンタウンのビーチが賑わい始める夏の夕方に、ドイツの小品映画を見に来るのはよっぽどの変わり者なのかなと思っていると、後から二人加わりました。
終始トーンは暗めでしたが、ドイツ人らしく理論的で抑制の効いた会話が心に訴えかけ、無味乾燥な生活の中に人情がにじみ出ていたりと、静かに深く感動する作品でした。
で、終わって出ようとするとさっきの係員さんが今度は箒と塵取りを持って立っていました。
(今年の6月に撮った)シアター正面の写真
一人少なくとも3役をこなしていましたが、なんかこの映画館の手作り感が好きです。