朋友清瀬校の山﨑です
今回からは2023年度都立高校一般入試の結果についてお話させていただきます。
実質倍率を全体で見ると、普通科が1.37倍(前年比－0.01ポイント)となりました。
男女別募集だと、男子は1.42倍(前年比＋0.03ポイント)、女子は1.37倍(前年比－0.03ポイント)でした。
また、単位制普通科は1.37倍(前年比－0.02ポイント)でした。
昨年の2022年度入試は、それまで男女緩和枠実施校のみで適用されていた『定員の1割を性別を問わず得点順で合格にする』緩和策を男女別募集校全体に拡大して実施されました。
それでも、検証結果によれば、男女別でなければ、女子は284人が合格し、男子は15人が合格するはずだったということが判明しています。
今年(2023年度)の一般入試は、男女別募集校で、さらにこの緩和枠を2割に拡大して実施されました。
今年の入試結果における実質倍率で、男子が0.03ポイント上がり、女子が0.03ポイント下がったのは、緩和枠が2割に拡大されたことで女子の合格者が増加し、男子の合格者がその分減少したためと考えられます。
早ければ2024年度入試から、東京都は都立高校における『男女別募集方式』を撤廃し、『男女合同選抜方式』に変更すると思われます。
現在、全国の公立高校の入試で『男女別募集方式』を採用しているのは東京都だけで、その結果全体として見ると、女子の合格最低点が男子の合格最低点を上回っている学校が多く、女子にとって不公平な入試になっているとの批判があるためです。
『男女合同選抜』となれば、女子に比べて一般的に内申の低い男子にはさらに厳しい入試になることが予想されます
では、今年の都立高校一般入試の結果について、清瀬校の生徒が受験しそうな地域にある程度限定して、具体的に見ていきます
緩和枠の拡大で女子の合格者が定員より大きく増えている（定員に対して10%超になっている）高校
としては、以下のような学校があります。
《旧1学区》
三田高校
定員113名に対して合格者141名
《旧2学区》
駒場高校
定員121名に対して合格者139名
広尾高校
定員74名に対して合格者93名
《旧3学区》
豊多摩高校
定員121名に対して合格者150名
井草高校
定員121名に対して合格者149名
武蔵丘高校
定員121名に対して合格者139名
鷺宮高校
定員106名に対して合格者131名
《旧4学区》
竹早高校
定員85名に対して合格者105名
北園高校
定員121名に対して合格者137名
文京高校
定員136名に対して合格者158名
豊島高校
定員121名に対して合格者141名
向丘高校
定員121名に対して合格者143名
《旧8学区》
昭和高校
定員121名に対して合格者143名
《旧9学区》
小平高校
定員76名に対して合格者91名
逆に、男子の合格者が定員より大きく増えた（定員に対して10%超になっている）高校としては、以下のような学校があります。
《旧1学区》
日比谷高校
定員133名に対して合格者149名
ただし、日比谷高校に関してはもともと辞退者を一定数見込んで合格者を多く発表しているため、これによって女子の合格者が定員を下回っているわけではありません。（女子は定員120名に対して合格者を124名出している）
《旧8学区》
東大和南高校
定員116名に対して合格者139名
東大和高校
定員116名に対して合格者129名
《旧9学区》
保谷高校
定員133名に対して合格者149名
田無高校
定員132名に対して合格者152名
男女緩和枠の拡大の影響について、竹早高校を例に説明しましょう。
2023年度入試が仮に完全な男女別募集だった場合、男子の実質倍率は1.51倍になるはずでした。ところが、実際には男子の合格者数が定員の93名に対して75名になったため、実質倍率は1.87倍になりました。
逆に、女子は定員85名に対して合格者を105名出したため、本来なら2.11倍になるはずの入試が結果としては実質倍率が1.70倍にまで下がりました。
実質倍率だけで見ると、男女別の定員だけで見た時は女子の方が男子よりも0.60ポイント高くなるはずでしたが、実際の入試結果では男女緩和枠の影響で逆転現象が起きて男子の方が0.17ポイント高くなったのです。
したがって、仮に来年度から『男女合同選抜方式』が実施されることになれば、受験者に男女の偏りがある都立高校では入試結果に大きな影響が出る可能性があるので注意が必要です
志望校を決める際に過去の入試状況を分析しておきましょう。
もちろん朋友に通っている塾生（特に来年受験する中学3年生）は、必要があれば担当の先生にご相談ください
清瀬校では、受験学年の父母面談は6月の後半に実施予定です
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