「1秒たりとも私を愛していたことはなかった。」
「はぁ?なんでそういうこと言い出すかなぁ?」
「だって、そうじゃない。」
「思い返せばずーーと前、深夜に電話きたことから始まったよね。」
親に比べれば、彼は救いであった。ほぼ唯一の。
すがりつく他生き抜く道はなかった。
厚みのある胸板に額を押しつけ、肩を撫でられる感触が、どんなに私をなだめたか。
だけど、心の飢餓感は満たされることはなかった。
彼は私の瞳を見つめることはなかった。
懇願する視線を、フィリップモリスをくわえ無視する横顔が、今でも脳裏で思い出せる。